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2009/07/09
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◆ 咲 嘩
 【あらすじ】
  連歌(れんが)の宗匠(そうしょう)を頼むため、都の伯父を連れて来るように主人(石田幸雄)に
  命じられた太郎冠者(野村万作)。都へ行くと、伯父と名乗る男が声を掛けるのでさっそく連れ帰るが
  この男、実は「身乞(みごい)の咲嘩(野村万之介)」という有名な詐欺師。正体に気付いた主人は、
  咲嘩を穏便に帰らせるよう言いつけるが、太郎冠者の勘違いで、事態はどんどんトンチンカン
  な方向に・・・。


万作さんのとぼけた太郎冠者ぶりに心底笑いました。でも、根はとっても素直なんですよね。
咲嘩を上手い事追い返そうと画策する主人のいいつけを最後まで守り通すんだから。
素直過ぎて、主人の胸の内までベラベラと咲嘩に喋ってドジ踏んでも、その事に全く気付いてない所は憎めないよねぇ。
主人は、追い返すお手本として、「みどもの真似をすればよい」というのですが、太郎冠者は主人の言葉も所作も真似ればいいのだと、違った解釈をして咲嘩をもてなしたり、ちょうちゃくしたり。
主人役の石田さんが太郎冠者の万作さんを扇で打つ時は、擬音で示すならば「パシッ!」って感じだけど、太郎冠者の万作さんが咲嘩役の万之介さんを打つ時は思いっきり「バシィッ!」って感じなの。
遠慮がないっつーか、痛烈っていうか。マジで万之介さん、痛かったんじゃないかしら。
まぁ、いくら役どころといっても、石田さんが師匠の万作さんを思いっきり打つなんて事出来ませんわなぁ。

パンフには「太郎冠者の勘違い」ってあるけれど、私は見ていて、太郎冠者の性格をよく知っている主人が、こうなる結末を予想して、あえて太郎冠者に真似するように言ったのかな~って思った。
ラストは、太郎冠者にぶっ飛ばされて転がされた咲嘩が起き上がって、退場して終りでした。
まぁ、因果応報って事ですね。
あっ!思い出した。解説の時、萬斎さんが「咲嘩」は勧善懲悪のお話だと仰ってました☆彡
万作さんの無駄のない動きと、舞台に溶けこむように立たれている姿が印象的でした♪


 ◆素囃子『神楽』
いや~。素晴らしい曲でした♪ 緩やかに始まる音が徐々にテンポアップして最後の方なんて魂がどっかに飛んでいってしまうような感覚でしたよ。
最初は目を閉じて聴いていたんです。囃子だけに集中したかったんで。
でも、途中で耐えられなくて目を開けてしまいましたぁ。座席に座っているのに、迫り来る音に襲われて倒れそうになったから。
さすがはアメノウズメの踊る曲ですね。聴いている方もトランス状態に陥りそうでした。
『この人、目がどっか行っちゃってるよ~~(危)』になりそうだった。
太鼓方の前川光範さん。ちょっと、唐沢寿明さんの若い頃に似ていて、大層なイケメンでございました♪(目を開けると、こういう雑念も入るから困りものよね(爆))


 ◆ 煎 物
 【あらすじ】
  七夕の頃、人々が集まって、祭りのお囃子の稽古をしているところへ、煎物(薬草などを
  煮出したもの)売がやってきて、皆に煎物を勧めて回る。
  ところが、稽古の邪魔になると言われてしまい、それでは邪魔にならないように拍子に合わせて
  売ることにする。やがて祭りが始まると・・・。


萬斎さんが復曲する前はつまんない曲だったみたいだけど、そんな面影が一切なく終始、クスクス笑いが起こっている楽しい演目でした。
萬斎さん演じる煎物売がお囃子の稽古をしている中に無遠慮に入り込んで、お茶を点てるように薬を煎じる手付きを見ているだけで笑ってしまう。
みんなに断られても、凝りもせず新しい煎物を差し出して、とうとう太郎冠者(月崎さん)につまみ出されてしまう。
それでも、囃子の拍子に合わせて売り歩く商魂逞しい煎物売さん。お茶碗片手に「せ~んじもの~♪ せんじもの~♪」と謡うお声もとてもよく響いて綺麗でした。
謡われる時に首、顎、頬の筋肉がグッっと盛り上がるのがわかっったよ。すんごい筋肉だった。

お祭りが始まって、当人の深田さんが鞨鼓を付けてそれを打ちながら舞いはじめると、煎物売も道具の中から焙烙(ほうろく)を取り出してお腹にくくり付けて、ワラを寄せ集めた小さな箒みたいな物で舞いながら焙烙を打って当人の真似をします。
当人の動きを見てから萬斎さんは真似をするので、ちょっとずつテンポがずれるんだけど、それが簡単そうに見えて、間とか難しいだろうな~って思いました。
ここからは、ほとんど「鍋八撥(なべやつばち)」と一緒で、当人の深田さんが最後は水車(みずぐるま)の側転で退場するのを、煎物売も真似しようとして失敗して焙烙を割ってしまうんです。
ちゃんと、焙烙は割れました♪ 粉々に~~。 「数が増えてめでたい」で無事終了~。
深田さんの水車! 豪快でした~。 背丈のある方なんで、ホントに風が起こるほど、豪快だった♪ 綺麗な水車を見せていただきました。
萬斎さんの水車も見たい所だけど、出来ない役どころですからねぇ。
でもね。何とか水車をしようと、あれこれと試みる中で足を素早く動かす所作があって、それは会場から「おおーっ!」っと、声が上がるほどのものでした。

立衆の高野さんはよく通る声で、聴いていて気持ち良かったし、破石さんも時田さんも頑張ってらっしゃいました。
もう一人、いつも後見でお見かけする岡聡史さんも立衆として頑張ってらっしゃいましたが、目線が終始下を向いているのが、ちょっと気になったかな。(生意気言って、すみません)


以上で、びわ湖ホールの狂言公演のレポは終了です。
最後まで付き合って下さって、ありがとう~♪






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最終更新日  2009/07/09 10:08:59 PM
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