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女もつらいよ ~南国編~

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りえこん5101

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2007.04.10
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カテゴリ:ふしぎなお話
今回もまた不思議なお話関連で・・・。


今から4,5年前のお話。

クリスが日本の幼稚園の年少さん(3歳の頃)でザックが年長さんでした。

丁度その夏にまーさんが生まれて、

夏休み終了後にザックは基地内の幼稚園へ入学、幼稚園にはクリス一人が通うことに・・・。


その年の秋、幼稚園の運動会に生まれたてのまーさんを連れて行くのはどうかと思い、

まーさんはロバちゃんと留守番ということで、私とザックが出かけて行った。


元のクラスメイトも先生も居て、ザックはとても楽しそう。

みんなが走っているのを見ていると



     『このまま卒園まで通わせたらよかったかな・・・』



と後悔してしまいました。


運動会は午後までかかるのですが、年少さんの競技は午前中で終了だったので、

お弁当もなければ、敷物も持たずうろうろしていた私とザック。


元のクラスメイトで仲の良かった男の子・A君のお母さんに偶然会い、お話しました。


幼稚園のお母さんのお友達が、数名しかいなかった私。

やんちゃな男の子2人いると気軽な立ち話もできなかったのです。


この時はザック一人ということもあり、お互いの子供の競技もなかったので、

今までになく話をすることができました。

A君のお母さんは、私が三人目を出産したことで


      
  「今は大変で辛いと思うけど、後で”生んでよかった”って思える時が必ずくるよ。

   今は無我夢中だと思うけど、子供に教えられる事も沢山あるし・・・。

   そういう余裕が出来る時が絶対にくるから!くじけないでがんばってね!」



というようなことをすごく親身になって言ってくれました。

A君も三人兄弟の末っ子だったので、A君のお母さんは私の育児の先輩みたいな感じでした。

今までA君のお母さんとあまり話をしたことがなかったので、

この時は「A君のお母さんって良い人だ~。ありがたい!」と思っていました。




その後・・・・・。



赤ちゃん返りの始まったクリスは、自分の気持ちを上手く表現できないということもあり、

幼稚園でトラブルを起こす日が多くなりました。

同じクラスの子がクリスが原因で、幼稚園への登園を嫌がっているという話も聞こえてきました。

本当に申し訳ない限りでした。


自分の子供だけれど、子供の行動は私が思うようにコントロールできる訳も無く、

お友達の家へ電話をして謝ったり、

本人にお友達がどんなに辛いか、言って聞かせるしかできませんでした。


私自身どうしていいのか分らず、人に接するのが辛くて、

学校行事でロバちゃんが参加できる物はロバちゃんに行ってもらうことが多くなりました。



そんななか、幼稚園の数少ないママ友さん達と会おうという話があり、参加することに・・。

このママ友さんはザックのクラスメイトのお母さん達で、基地の中の学校へ転校した子のお母さんもいました。



久しぶりの再会に、幼稚園の年長さん達の話で盛り上がっていた時です。

一人のお母さんが


     「そういえばA君のお母さんが亡くなったんだよ。」


と・・・・。

私と同じく基地の幼稚園へ移ったお母さんは、その話は初耳で耳を疑ってしまいました。


       
     「A君のお母さんが、亡くなったって・・・死んだってことなの?」



そうだと答えるお母さん達。



『信じられないよ!数ヶ月前に私は話をしたんだよ!その時はすごく元気だったんだよ!』



という思いで「いつ亡くなったの?」と聞いた。



するともう言葉を失う返事が・・・・・




      「う~~ん、あれは確か・・・運動会のあった日だよ」






      「うそだ!私、その日運動会でA君のお母さんと話したよ!

         子供の事とか話したんだよ!!生きてたんだよ!」




ママ友の話では、その運動会の夜、不慮の事故で亡くなられたそうなのです。

運動会の後も幼稚園へクリスを迎えに行った時、

偶然A君を見かけたり、「げんき~?」と声をかけたりしていました。

子供にとってお母さんって本当に特別な人。

絶対に居なくなられては嫌な存在なのに・・・・・。

A君の事を考えたら言葉が出なくなってしまいました。


こんな幼い子供を残して逝ってしまったA君のお母さん。

自分の子供を残して旅立たねばいけないなんて・・・・。



偶然にもあの運動会の日、A君のお母さんと話した事は私にとって忘れる事が出来ない日となりました。


もしかして彼女は、自分が逝ってしまうのを無意識に知っていたのかもしれません。


こんな私でもクリスのこの出来事では、生きているのが辛く感じたりしたのです。

へたれな母親でごめんなさい。

その後、年中さんになったクリスはすっかり落ち着き、

小1の今では、あの時凶暴だったのが嘘のようです。





”子供は親の思い通りに育たない”と言いますが、3歳からその言葉の通りでした。

でも

      ”自分の子供を自分が育てることができている”


という当たり前のことが幸せなことなんだ、とA君のお母さんから教えてもらいました。


   生きていてくれるだけでありがとう泣き笑い


私は雑草のごとく生き延びて、自分の子供の成長を見とどけるぞ!





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Last updated  2007.04.10 15:21:43
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