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久々にブログを書かせていただきます。
先日、作家の明川哲也さんから取材の申し込みを頂き、 居酒屋さんで3時間おしゃべりをしてきました。 明川先生は以前朝日新聞に「名詞の森」という、 ユニークな考え方を紹介し、 私がそれにとても興味を魅かれて講座を受講したご縁で お付き合いが始まりました。 「名詞の森」とは簡単にいうと、 ある分野の名詞を沢山覚えてみると、 自然と新しい道が拓ける、という考え方。 先生のエッセイの一文を紹介しますと、 こう説明しております。 たとえばあなたが電気自動車に興味を持つのであれば、 電気自動車のすべての部品、生産のためのすべての工程、 未来の自動車に求められるすべての条件を日本語と、 必要ならば外国語の名詞も含めて覚えてみよう。 ただそれだけで、開発者としての道はあなたの前に拓かれる。 (朝日新聞2010年12月30日掲載) 私には「名詞の森」の強烈な体験があります。 2つだけ紹介します。 小学校6年から中学3年まで通っていた英語の塾の教育方法が、 この「名詞の森」でした。 英語には名詞も、動詞も、形容詞も、前置詞も、副詞も、 接続詞もありますが(まだなんかあったかな?)、 初めて外国語を学ぶ人にとっては、 どれも事実上の「名詞」です。 例えば、comeは「来る」という動詞ですが、 日本語がこびりついている頭には、 無数にある英単語の一つですので、 名詞的暗記をするしかありません。 その塾では英語の教科書中学3年分を、 徹底的に暗誦できるように毎週トレーニングを受けました。 凄まじいスパルタ方式。 出来が悪いとビンタ(ひぇ―恐ろしい)。 中学3年生の終わりの頃には30分位掛けて、 教科書3年分丸まる暗誦して、 先生にお褒めをいただきました。 歯周病専門医を目指してスウェーデンに留学した時、 大学院で授業を受けたときに質問したり討論したり、 意見述べたり、発表したり、 宿題でレポート書いたり、 試験で回答書いたり 論文書いたりしましたが、 ほとんどその時の英語が反射的に出ます。 日本の教科書はなかなかよく出来たもので、 とても無難な英文を載せており、 中学卒業後15年経ってからその威力を実感しました。 もう一つは20年近く前、 東京歯科大学の学生だった頃に、 病院実習で各科周りをしていたときのことです。 口腔外科という科を回っていたときのことです。 口腔外科は一般の歯科治療ではなく、 癌や骨折、奇形などを扱う手術が主の診療科です。 ちなみに東京歯科大学の口腔外科は、 日本でもトップクラスの実力を誇るかわりに、 教育もとっても厳しいことで知られていました。 なーんにも知らない学生のお仕事は、 手術や検査などの治療をお手伝いしながら、 無数にある手術の道具を暗記して、 先生たちが「XXもってこい!」とか言われたら、 光よりも早くもってくること。 そして、無数に扱う病気の分類と定義をひたすら暗記すること。 教科書を読みながらひたすら暗記、暗記・・・・ 実習しながら教科書にある病気の患者さんを担当すると、 事前のイメージと同じであっても、違っていても、 強烈に記憶に残ります。 でもそれがとっても大切だったということは、 卒業後歯科医師になり、 東京医科歯科大学で研修医をしていたときに、 その威力を思い知ります。 多くの大学の卒業生が集まっていましたが、 私は決して引けをとりませんでした。 先輩医局員でも明らかに私より知識が劣っている人もチラホラ・・ (いかん、いかん、謙虚に!!) 物事には順番があります。 建物を建てるときにも手順があります。 一定の名詞や単語を強制的に覚えるということは、 建物を建てるときの強固な基礎工事を意味していると思います。 それは決してオモテには出ませんし、 外から見ることは出来ません。 ある程度手抜きをしても、 形としての建物はできるでしょう。 でも基礎工事のしっかりしていない建物は、 どうなることでしょう。 皆さんも分かると思います。 明川先生がおっしゃる「人生をもう30センチ前に進める方法」 としてみなさんも「名詞の森」をやってみてはいかがでしょう? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.07.16 10:04:55
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