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2007年11月10日
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カテゴリ:新語探検
和

ちょいと気になった新語から。。。


 今回は、伝統と最新技術(?)の融合例に関する新語ネタから。

カーボン西陣織 (かーぼんにしじんおり)(Yahoo!辞書 新語探検 2007年11月10日)》
カーボンファイバーを西陣織の技法で織り上げた布。カーボンファイバーは「炭素繊維」と訳される、微細な黒鉛結晶構造をもつ繊維状の炭素物質。重さは鉄の4分の1ながら、強度は10倍。さらに耐熱性、導電性といった特徴がある。そのためにテニスラケット、釣り竿、F1カーや飛行機の内装等に利用されている。この炭素繊維を西陣織の技法で織り上げ、渋く黒光りする見た目を生かした着物として、京都市に本社のある西陣織メーカー・フクオカ機業が商品化している。群馬高専教授の小島昭は、このカーボンファイバーを原料とした西陣織の布地を、湖や川の環境維持のために用いることを提唱している。炭素繊維を湖などに沈めると、炭素を好む細菌やバクテリアの働きで汚れを吸着するのだが、流れが速い川や海では繊維がちぎれてしまう欠点があった。西陣織のようにきめの細かい織物にすると強度が出るので、安定的に利用できる。炭素繊維の織物をいかだにつるして埼玉県川口市の河川に沈めたところ、川底のヘドロや悪臭が減ったという。


 よく考えつくものだなあと感心する。一見無関係なものを結びつけることが発明につながる。しっかりした基礎の上に応用力を発揮することが大切だ。

 現代の日本は技術立国である。だから技術開発の努力は決して怠ってはならない。だが、技術と伝統が両立しないかというと、そんなことはない。一時代前は何事も“新しいか古いか”の尺度に還元されてしまって、「最新技術は善で、伝統は悪」というようなステレオタイプがあった。最新技術とされたものがもたらす公害などの影の側面には目をつぶっていたし、旧習打破の名目で伝統的なものはよい部分をも含め一切拒絶してきた。最近は伝統的なものが見直されてきたが、反動的な揺り戻しで終わってもらっては困る。

 さて、日本の伝統的な技は、いわば伝統的な生活を土壌として花開いたものであり、それは多分に旧習に基づいている。つまり古くさい生きかたを捨てたら伝統の技も消えていくという一面がある。一方、ここで取り上げた西陣織のような完成された技術の型は、生活と切り離しても存在しうる。だからこそ、カーボン西陣織のような応用がきくわけである。我々が否定すべきは、「西陣織は着物でしか使ってはならない」とか「西陣織は着物にしか使えない」というような固定的発想である。また、織り方を完全に隠してそれを機織り業で独占してしまうような排他的態度である。そうすると、着物が廃れてなくなると同時に西陣織も完全にこの世から消え去ってしまうのである。技そのものが生き残れるような方策を考えねばならない。

 これは現代の企業にも当てはまる。おそらく最先端の商品を支える技術(ノウハウ)は、ほとんど完全に大企業に独占されている。そして、企業が潰れればそこに蓄積されてきたノウハウも同時に消滅してしまうのである。ノウハウを公開すれば企業の存続に関わってくるので安易な公開はできないが、少なくとも企業よりもノウハウを生き延びさせるという発想をもっていないと、これから日本は大きな財産を失うことになろう。個々の企業は外国に食われてしまうことがありうるからである。ノウハウは別の場所でも活かせる場合がある。だからこそ、うちの商品にしかこのノウハウは使わせないという偏狭な考え方は、批判されてきた旧習墨守の態度となんら変わりはないのである。

 さて、このようにノウハウとしての技術をできるだけ共有できるような社会システムを構築していく必要があるのだが、そのようなノウハウを生み出す土壌もまた保存していかなければならない。どこにでも移植できるノウハウをもっているだけでは、経済的観点からいって先細りになるだけである。企業が多国籍化するなかで、いわゆる日本的経営もまた危機にさらされているが、旧来の企業風土が新たな技術を生み出す原動力にもなりうるのだから、そういう部分も保存していかなければならない。

 これは同様に伝統的な世界にも当てはまることで、ひたすら古い生活を守ることによって伝統的な技(アート)を保持していく一定数の人々が必要である。日本の伝統の技は、生活から生まれるセンスによって成立している部分
がある。そして、古い生活に基づいてこそ、時代にあった伝統の技が開花する。

 ちょっと話がややこしくなってきているが、多層的に見ると理解しやすい。まず基底部分として伝統的な古い生活様式がある。これを昔のまま一切変えずに実現する人々が必要である。第二に、そのような生活に浸りながらも旧来の形式に囚われずに時代にあった新たな型を生み出していく人々が必要である。第三に、そのような新たな技を現代に定着・普及させていく人々が必要である。第四に、最新技術と伝統の技を結びつける人々が必要である。

 カーボン西陣織の例は、この第四に分類される人々である。そして、いま力を入れて確保すべきは、第一と第四に分類される人々であろう。このような広い眺望のなかで日本を見ていかないと、伝統ある日本は瓦解していく。反動で伝統回帰を求める人の大部分は、第三の部類に属していて、伝統から生み出される型を享受しているだけである。伝統的生活の根っこがないから次世代に伝えられない。せめて第二の部類に属する人でないと、伝統がかもしだす日本文化を次世代に渡していくことができない。







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最終更新日  2007年12月29日 18時55分15秒
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