カテゴリ:短歌
11月18日『NHK短歌』 題「風呂」または自由 選者 辺見 じゅん 特選三首の中から、私が注目した歌にコメント。 献体を決めし時よりねんごろに風呂にて洗う つらつら洗うねんごろに洗うのは(解剖をする)他人のため、つらつら洗うのは我が身を振り返って。重苦しい歌ではないが、献体を決めた人でないと作れないずっしりとした歌である。 愛された後でも君の帰る夜は泡になりたい バスタブの中私は男性なのでこの感覚は想像しにくいのだが、恋愛小説の一節にでもなりそうなオシャレな歌だと思う。この歌は潜在的に二義的で、愛されたときを思い出して、温かい中で溶けてしまいたいという明るい面と、君が帰った後の空しさで自分は泡となって消えてしまいたいという暗い面がベースになっているように思われる。この二面性を深く追及していくと、下手な恋愛小説が出来上がってしまうくらい長くなりそうなので、このへんで切り上げよう。(^^ゞ 露天風呂につかりて見れば目の前の岩に蛙も裸で座る露天風呂に生きた蛙なんかやって来るのかな? 私の想像では、湯の注ぎ口が蛙の形になっていたのではないかと思う。この蛙も裸だとふと気づいて可笑しくなり、歌にでもしてみたのではあるまいか。この歌は、むしろ軽さがいいのだろうと思う。 露天風呂もいいが、《浮世[ 《『NHK短歌』のホームページ》 人気blogランキング ↑この記事が面白かった方、またはこのブログを応援してくれる方は、是非こちらをクリックしてください。 「p(^o^) 和の空間」の Window Shopping |
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