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2008年06月24日
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テーマ:俳句(532)
カテゴリ:俳句
和

誌上添削教室から、私の注目した句にコメント。


 まずは、星野高士の添削より。


〔原句〕人間を見飽きた獅子ししの大昼寝

〔作句意図〕ライオンが昼間に寝ていても不思議ではありませんが、悠然と寝ているのをみると、人を見飽きたといった様子に思えました。
長野県松本市 藤丸誠旨

〔添削者コメント〕ライオンの姿を独特な視点で表現していますね。描こうとしている題材は面白いと思いますが、獅子が人を「見飽きた」というのは、実際には作者が見た情景からの推測であることをはっきりさせた方がよいと思います。この点をふまえ、次のようにしてみました。

〔添削例〕人間を見飽きしか獅子大昼寝
 私としては原句のほうが好きだ。両者の違いを考えてみたい。まず、原句は「ごとく」などの言葉を省略した暗喩である。そして、この表面上の断定によってむしろ獅子の態度を迫力あるものにしている。もう人間の存在など歯牙にもかけないといった堂々たる態度である。他方、添削例では「見飽きしか」と作者を暗に登場させて、獅子を客体として遠目に見ている。「獅子の大昼寝」は、そんな作者の疑問が入ろうと堂々たるものなのだろうから構わないのかもしれない。しかし、文の構成だけから考えると、作者を登場させることで対象の生々しさを半減させてしまう可能性がある。




〔原句〕青田風娘飛び立つボストンへ

〔作句意図〕いつもの散歩道には青田風が吹きはじめました。その頃、娘は友達の結婚式に招待されてボストンへ旅立ちましたが、無事の帰国を願って句にしてみました。
福岡県宗像市 安部正和

〔添削者コメント〕おそらく偶然の組み合わせでしょうが、青田風とボストンという二つの取り合わせはうまい具合に響きあっていると思います。しかし、原句のままでは「無事を祈って」という作者の思い、あるいは「青田風」がどこ(あるいは誰の周辺)に吹いているのかがはっきりしません。このあたりをふまえ、ここでは次のように添削してみました。

〔添削例〕ボストンへゆく娘を思ふ青田風
 最初、「青田ふう娘」と読んでしまった。(^^; 若々しく元気のよい娘が想像される。また、風に乗ってボストンへというイメージとも重なった。添削句をみると、やはりここでも「思ふ」で作者が登場しているわけだが、ここでは母の思いを句に入れようとしているのだし、また娘をそんなに鮮やかに描写しなくてもいいのだろうし、むしろ青田風が季語としてそれ自身の力で存在感を示していればいいわけだから、作者の表現したかったことが何かによって、どちらでもいいのではないかと思う。




〔原句〕俗人を拒む気位白蓮しろはちす

〔作句意図〕奈良駅を降りて十分ほどの所に静かな名園があります。すべての音、俗世をへだてて大白蓮が咲いていました。
大阪市平野区 綿谷弘子

〔添削者コメント〕街中まちなかにある白蓮の美しさを作者独特の感じ方で表現しているのがいいですね。「気位」という言葉は面白いとは思うのですが、やや独りよがりの表現にも思えます。原句では「俗人」となっていますが、作句意図には「俗世」とありますので、この言葉も活かしてみましょう。リズムもよくなり、一句がすっきりとまとまります。

〔添削例〕俗人も俗世も拒む白蓮
 俗人も俗世の一部だと考えれば、俗人よりも俗世で代表させてしまうのもいい。「気位」はなかなかいい表現だが、俳句は言葉で説明せずにそれを伝えようとする。私としては、「俗世をば拒みて咲けり大白蓮」なんていうのはどうかと思った。俗世ではなく濁世じょくせでもいいかもしれないが。かえって平凡になってしまったかな?(^^;




 以下は、山西雅子の添削より。


〔原句〕色紐のあやとりはずむ初夏の窓

〔作句意図〕老人保健施設です。子どものころの薄れかけた記憶をたどりながら教えたり教えられたり。初夏の快い風の窓辺で思い出話など次々と話もはずみます。紐も昔は白でしたが、今は美しい色紐です。「初夏の窓」という表現がすっきりしません。
名古屋市中川区 上田たか

〔添削者コメント〕「初夏の窓」は、「初夏の窓辺」とすると落ち着きます。この句は窓そのものに着眼している句ではなく、窓辺に憩う人々の安らかなひとときを詠む句だからです。添削例では「色紐」という 言葉を思い切って削り、「教へ合ひ」という言葉を補いました。複数の人々の存在と、その和やかな関係を示す効果を狙ったものです。なお「あやとり」は冬の季語でもありますが、この句では季語としての働きはしていません。「初夏」という季語が夏であることをはっきり示していますので、この句は夏の句となります。

〔添削例〕初夏はつなつの窓辺あやとり教へ合ひ
 季語としての働きをしていない場合は、別の季節の季語でも使いうるというのは、言葉の制約が減るので非常に助かる。季語としての「あやとり」は、おそらく毛糸の温かさや炬燵やみかんや、そんないろいろな冬のイメージが結びついての「あやとり」である。この句の「あやとり」は、冬の季節感ぬきでの遊びを単に意味する。逆に言えば、各々の季語の背後にはその季節のさまざまなイメージが結びついているということであろう。







『NHK俳句』のホームページ





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最終更新日  2008年09月27日 07時23分36秒
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