いっちゃんねる　日々つれづれ

夏休みの宿題…自由研究で、わがやのにちゃんねる（１年生）はムシの研究をしていた。
何でも新種のムシを発見したかったらしく、毎日と言うほどムシ採りに出かけて行った。

で、結局捕まえたムシなんかたかが知れていて、
新種どころかどこにでもいるようなムシばかりだった。

お盆に実家に行ったとき、里芋の葉に１匹の蝶の幼虫と思われるムシがいて
葉っぱごととり、飼っていた。
触角のようなものはないし、里芋の葉しか食べない。
普通の蝶ではないような気がした。
でもにちゃんねるは、黒アゲハの幼虫だと信じきっていた。

それが何日かしてさなぎになった。
さなぎになってから蝶になるまで２，３週間かかる。
自由研究には間に合いそうもなかった。
葉っぱもあげなくていいし、次第に忘れられていった。

学校も始まり、もうとっくに忘れ去られたさなぎだったけど
台風が過ぎた日、そっと飼育箱を開けてみたら、チョウ…に

でも、なんだかチョウと言うより…蛾。
あんなに期待していたチョウが実はガだったなんてガッカリするだろうな…
自由研究でなくて良かった…とも思い。

学校から帰ったにちゃんねるにチョウになった言うと
飛んでいってみた。

なんだよこれ～ガじゃんか～逃げていけよ

と言って、飼育箱を開け放したのでした。
チョウになったら教えたい人がいる、と張り切っていたにちゃんねる。
その子は聴覚障害があって、手話ができないにちゃんねるとはコミュニケーションがとりにくい。
だからさなぎになったと手紙を書いて渡したのだった。

彼女の話す指文字は早くて読み取れない。
「いつちょうになる？」
「まだまだ、２週間くらい」
「チョウになったら、おしえて」
「うん！」

…口が裂けてもガになったとはいえないだろうな…