2007/12/11(火)10:00
ついに、ゼラニウムを植えました!
たしか、この「家事手帖」のブログをはじめたころだったと思う。ゼラニウムにあこがれている話を書いたのは。 ——ついに、うちにゼラニウムの白花が、やってきました。 花がやってくる、それも、住み込みにきてくれるなど、ちょっとやそっとの縁ではない、という気がする。 植え込みながら、思わずと声をかける。「よく来てくれたねー」
早速、水(米のとぎ汁)をそっと与える。 そのときだ。 なつかしい感じに包まれた。 ああ、どこかで嗅いだにおいだ、と思う。 この、青臭くて、かすかに金属的な葉のにおい……。目をとじて、記憶をたどっていくと、小学生のわたしがあらわれた。そこは、大好きな祖父母の、庭。あそこに、ゼラニウムがあったのだ。 家の南北にあるふたつの庭をつなぐ、東側の通路——そこは、隣りのお寺の墓地に面していた——には、塀に添って台が設(しつら)えてあり、たしかに植木鉢がならんでいた。そこで始終遊んでいた幼いころの匂いの記憶が、そこに植えられていたのが、ゼラニウムだったことを伝えた。およそ40年の歳月を経て。 ふり返れば、菊の手入れをする祖父と、洗濯ものをとりこむ祖母に、会えるかもしれない。 目をとじたまま、ふり返る。
匂いの記憶というのは、な、なんて……。 過去、名も名乗りあわず、ふれあっていたものの正体を、いまに伝える。
きょう。 自分がなぜ、これほどゼラニウムにあこがれ、なつかしんでいたか、ということに気づいた日。 ちょっとだけ、幼い自分に戻らせてもらう……。
おじいちゃん。 おばあちゃん。
2階のベランダ、西のはずれです。まだ若いゼラニウムを2本、植えました。1本、158円也。安過ぎやしないかなあ。そうそう。先に書いた「からからに干した茶がら」をたっぷり混ぜこんだ土に植えました。
下の道から写してみました。こんなふうに、見えます。