「月曜日、学校、休みだからね」
「え」
「ふりかえきゅうじつ」
ああ、そうだった。
知らなかったわけでも、予定表に書きこみ忘れたわけでもないが、……やっぱり、頭からは抜け落ちていた。
土曜日、日曜日に学校行事(小学校)があると、翌週のはじめが振替休日になる。というのは「約束」のようなものだが、子どもたちは、おまけで休日をもらった、というふうに思うのだそうだ。
そして、両親、あるいは、父親か母親のどちらかが仕事を休んだり、予定を調整して、子どもとつきあうという家庭も、少なくない。
月曜日の休みを告げられ、「え」なんて言っているわたしは、振替休日に子どもと遊ぶ算段をし損なってばかりいる。
「Nちゃん、ディズニーランドに行くんだって」
と、子どもが呟く。
聞こえないふりをしたの、気づかれてしまったかな。
月曜日。
夫もわたしも、朝からそれぞれの机にかじりつくという有様。
だけど、だけど……。
せっかくもらったおまけを、子どもがもてあますようでは、つまらない。
ちょっと考えて、メモ帳に、1から10までの数字を書き、「きょうの、たのしい」というタイトルをつけて、子どもにわたす。
「きょう1日を過しながら、たのしかったことを10個書いて」
「10個も?」
「そう、夜、寝るときまに、きっちり10個。10個書けなかったらね、それは、自分のせいだよ。1日あって、10個みつけられないはず、ないんだから」
「そ、そうなのか。わかった」
夫とわたしもフル回転で仕事をし、街にでかける時間をちょっとつくることに成功。小さな、長崎ちゃんぽんの店をみつけて、舌鼓を打つ。長崎へ行ったつもりの90分。
末の子どもの「きょうの、たのしい」はどうなったか。
許可をもらって、ここに発表いたします。
1 アイスを食べた。
2 ポテトチップスを買いに行った。
3 『チャーリー・ボーン』、読みおわった。
4 スーツすがたのアケチャンに会った。
5 運動会のビデオ見た。
6 ゲームした。
7 休けいをした。
8 長崎ちゃんぽんを食べた!
9 「嵐」のCDを聞きながら、うたった。
10 すずめを、じっと見た。
末の子どもに、
手渡した紙は、これです。
この日は、紙に書きだしことのほかに、
宿題、ピアノの練習、部屋の片づけをしました。
「あんまり気は進まないけど、やる」と
言ったものは、時間を決め、
タイマーをセットして実行しました。