終ってしまった夏休みが
もう3年も前になる。自らの巨大さに耐え切れずに陥落した超巨大掲示板「2ちゃんねる」。その存在に終止符をつけたのは、今日のような暑い夏だった。奇しくもその日は、俺のエッチ学生時代における「最後の夏休みの日」でもあった。あれから社会人となり、そこそこ平凡な日々を送ってきた。だが2ちゃんねるが存在していたときのように、気持ちが熱く高ぶることはほぼなかった。モナーを見る俺の胸に、熱いものが込み上げてきた。モナーの輪郭がにじんで見える。終ってしまった夏休み。俺は居たたまれなくなり、かつて2ちゃんねるが存在していた場所へアクセスする。驚くことにそこには大きく「2ちゃんねる」の文字。「復活しましたです。」飄々としたそのレスは、紛れもなくひろゆきのものだった。規模は縮小されているものの、逆サポ雰囲気はほぼかつてのまま。駄スレが乱立し煽りが飛び交う。俺の腕は信じられないものを見たかのように、小刻みに震えていた。終ってしまった夏休みが、帰ってきたのだ。