上高地(続編・2)「明神へ・・、」
上高地(続編・2)「明神へ・・、」 上条嘉門次について・・、目的の「明神」は、ほぼ梓川の畔にあった、時間にして1時間少々・・・。山小屋の「嘉門次小屋」や「山のひだや」、正面奥・菊の紋の入った木製の鳥居を潜った先に穂高神社そして明神池が座している。 嘉門次小屋の道向かいに嘉門次の石碑が立つ。この石碑は一般客には馴染みが薄いが、上高地・穂高を愛する山屋にとってウェストンや上条嘉門次は心に留めおきたい人物である。上条嘉門次は「上高地」を世に知らしめた人物の一人でもある。優れた山岳ガイドとして知られ、多くの人々を北アルプスへと案内した。 特に、日本アルプスを世界に広めた英国人ウェストンを北アルプスの山に案内したことで、彼の名は世界に知られた。上高地を我が庭のように愛した彼は、猟師としての腕前も確かであったという。明神池の畔の嘉門次小屋が彼が住んでいた場所で、この地で生涯を全うしたという。 現在も山小屋として営業している。昭和33年(1958)に彼のレリーフを付した記念碑が小屋のすぐ近くに建てられた。明神池・・、河童橋からおよそ4km上流の梓川の右岸に瓢箪型(ひょうたんがた)をした明神池がある。奥宮の横に受付社務所があって、神域である明神池へは拝観料として300円を払うのである。 池を見るのに金払う・・?チョット奇妙な気持ちではあるが・・。手前を明神一之池、奥を明神二之池と呼ぶ。 かつては三の池もあったが「明神岳」の土砂崩れえ梓川支流の沢がふさがれて消えてしまったとか・・。明神・一の池同・二の池1600坪(52,800m2)にも及ぶこの池は、秀麗な自然美を形作り、マガモや岩魚も優雅に泳いでいて、不思議なことに岩魚は人間慣れしているのか全く逃げない。神域の岩魚神域のお猿さん明神池は、「かがみ池」とも言われ、パンフレットにも『明神池 神降地』、『人々の心を映す、神の池』と記されている。神秘的で時間が止まっているようであり、明神池拝観の300円はそれ以上の価値があった・・!!。退路時、受付で思案している客に向かって「明神池は必見ですよ・・!」などと余計なことまで言う始末であった。嘉門次小屋・休憩舎小屋前の休憩舎で冷たいビールと名物岩魚の塩焼きを戴いて帰途に着いた。梓川の明神橋を渡ると、背後に峻険な「明神岳:2264m」が望める、そして、槍・穂方面の第1の休憩ポイント「明神館」があった。帰路は左岸を一直線、上高地バスターミナルまで凡そ1時間の道程である。『終』