Divertimento

2030年度末の新幹線の札幌延伸は道内の風景をどう変えるのでしょうか。
　新幹線の通り道、新たな駅ができる北海道南部の八雲町は、国民的人気な「女の子」の力も借りて街づくりに挑みます。
　函館市から車で１時間半、八雲町です。
　噴火湾を望みながらバーベキューが楽しめる「噴火湾パノラマパーク」はマチ一番の観光スポットです。
  訪れた家族 「札幌から来たんですけど、ここ好きで毎年来ています。『穴場』ですよ、結構」
  　そう、八雲町は「穴場」なんです。
　昨年度、八雲町を訪れた観光客の数は38万人。
　渡島地方にある「11」のマチの中で下から数えた方が早い「７番目」です。
　太平洋と日本海の２つの海を楽しめる日本で唯一のマチですが、函館市や七飯町などに押されて観光客に「スルー」されてしまうのが長年の悩みです。
　札幌まで伸びる新幹線。八雲町内には、新幹線の駅仮称「新八雲駅」が設けられますが… 
藤田忠士記者 「新幹線新八雲駅の建設予定地です。ご覧ください。一面にデントコーン畑が広がっています」
  　市街地から３キロ離れた牧場地帯に建てられる計画です。
  八雲町民 「まず駅が遠いですよね、ここ（市街地）から。あまり利用者はいないんじゃないか」
「大して関心ないな。素通りで行っちゃうんじゃないの？ほとんどみんな」
  　駅ができても「スルー」されてしまう…そんな声をよそに町長は。
  八雲町　岩村克詔町長 「ビルや建物をどんどん建てるのではなくて、北海道らしい畑があって、牧場があって、それが北海道だよという雰囲気になればいいのかなと思っている」 
　この牧歌的な風景を活かして全国初の「牧場の中の新幹線駅」として売り出そうというのです。
　そして、永遠の６歳、お菓子が大好きな「女の子」も味方につけようとしています。
　大手菓子メーカー、不二家のキャラクター「ペコちゃん」です。
　あの国民的菓子の「ミルキー」の原料の牛乳はその多くが八雲町産。
　「ミルキーは八雲の味」でもあるのです。
  八雲町　岩村克詔町長 「ペコちゃんが八雲町の農家のお嬢さんだという伝説があるのと、不二家さんと連携して、あそこ（新幹線駅）にはペコちゃん牧場、ペコちゃんレストランを作ろうと」 
　「新八雲駅」をペコちゃんのふるさとに…観光客を「スルー」させず鷲づかみにする観光スポットを作ろうと考えています。
  八雲町　岩村克詔町長 「新幹線駅ができるまでにどういう準備ができるかということだろうと思う。それが町の発展にかかっていると思っている」
  　新幹線の札幌延伸で、新函館北斗から17分、札幌からも41分とぐっと近くなる八雲町。
　照れ隠しでペロッと舌を出しながら、８年後の「穴場」脱却を目指します。
  北海道放送（株）
最終更新:8/18(金) 19:17 HBCニュース北海道