医療保険のしくみ[医療保険のしくみ] ◆ 基本的な骨組みは主保障と特約保障から成り立っています。 ◆ 入院保障の条件 ◆ 保障期間が2つあるのをご存じですか? ◆ 保険料の払い方(更新型・終身型) ◆ コスト面からの総合判断 ● 主保障は基本的には入院されたら保障される入院日額のこと。 入院日額はほとんどの入院を保障します。(正常分娩、法律違反行為の入院は除外) この保障が始まらない限り他の特約保障も始まりません。 ● 特約保障は、保障範囲を限定した保障のこと。 保障がバラエティーに富んでいても主保障である入院日額の保障が開始されない限り基本的には特約の保障は始まりません。例外(死亡、特定、手術) 以下、3つの条件を満たした範囲内で保障されます。 1. 入院したときに保障を開始するための条件 ア.病気やケガで継続して20日以上入院した場合 入院初日から保障 初期のタイプ、死亡保障に特約で付加されている。 継続20日以上の入院は現状に適さないので至急見直しが必要。 イ.病気で継続して8日以上入院した場合、入院初日から保障 20年以上前からあります。このタイプが一番保険らしい保険です。 ウ.ケガで通算5日以上入院した場合、初日から保障 20年以上前からあります。このタイプが一番保険らしい保険です。 エ.病気やケガで継続5日以上入院した場合、入院5日目から保障 継続20日以上入院保障の次に発売された、後継商品。現状に不適。 オ.病気やケガで1泊2日の入院をした場合、入院初日から保障 最近発売されている保険の主流。 2.入院した時に保障期間を決めるための条件 ■ 1入院と通算日数(この条件だけは全ての保険会社の医療保険に共通しています。) ア.1入院 60日、通算日数730日または1000日 イ.1入院 120日、通算日数730日または1000日 ウ.1入院 180日、通算日数730日または1000日 エ.1入院 365日、通算日数730日または1000日 オ.1入院 730日、通算日数730日 カ.1入院1000日、通算日数1000日 ※1入院の日数については上記の日数に多少増減するタイプもありますが根本的には 同じようなものです。 3.入院した時に入院保障の期間を決める条件 入院を保障する期間を1入院または1回入院という表現で定められています。 その1入院・1回入院とは、普通に思う意味ではなく、誰もがだまされる奥深い意味が込められた定義が定められています。 →「1入院はどんな入院?」参照 わかりやすく要約しますと、 長期入院になるような重い病気も何度も繰り返す人はめったにいません。その重い病気になると、何度も入退院を繰り返すことになる場合が少なくなく、中には、ずっと入院したままで長期入院になることも考えられます。 いずれの入院になっても、病気の原因や関連性が異なる病気には100%ならないと言っても間違いではないので、結果として1入院分の日数を1回限りの保障で済むように考えられた条件のことです。 そして、この条件だけは、ほとんどの医療保険で共通です。 ※医療保険で保障額が決まる一番重要なことですから、詳細説明をする責任があります。しかし、私の知っている限りでは聞いたことがありません。皆様も詳細説明は受けましたか? 皆さんが気づかない2つの保障期間があります。 ■ 入院の保障を開始するための保障期間(10年とか終身とかの通常の保障期間) →皆様が重要視される期間 ■ 入院した時に保障される保障期間(1入院と通算日数、隠れた保障期間) →あまり重要と思われていない期間 【詳細説明】 一般的に思われる保障期間は10年とか終身とかの保障期間だと思われます。しかし、この期間は単に入院を保障する期間であって、入院した時に保障される期間は1入院の日数です。従って、この日数が短期間 たとえば60日~180日位の日数であれば加入目的である「なったら困る長期入院」は、1年~3年前後以上の入院には到底足らない日数です。 このような事から、入院の保障を開始する期間が終身であっても、入院した時に保障される期間が60日~180日では、保険に入る意味がありません。 保障期間と言えば、終身とか10年とかの期間のことだと思いますよね? ところが、この期間は単に入院を保障する期間であって、入院した時に保障されるのは1入院の日数です。 60日を終身保障、180日を終身保障。あなたはどちらの保障期間が重要ですか? 医療保険の保障期間についてはまともに考えたら損することになりそうです。 よく言われるのは保険料がずっと上がらないタイプの医療保険です。 理由は、高齢になって保険料が更新して上がると支払えなくなるからと言われる方が少なくありません。支払うことを基準に考えたら賢明な考えだと思われます。が、、、このようなことを言われる原因になっているのは、生命保険に特約で医療保障などがついているタイプの保険。 高額保障の生命保険に入ると、若い時の保険料は安くても更新ごとに上がって2~3回目の更新時、50歳以上の年齢になると、一挙に倍増することになる場合がよくあります。 一般的には、このような内容になれば、誰でも支払えなくなる状況になります。 このようなことが原因であると言われているようです。 しかし、医療保険だけの場合であれば、元々の保険料が安く、更新されても支払えなくなるような額になることは多くありません。 (注)収入により、考え方の基準が異なりますので、皆が同じではありません。 肝心なことは商品として何歳までメリットがあるかを先に調べてからです。 そしてその年数になるまでの保険料総額でどちらかが有利になるかを見比べてから判断すべきです。 長年の経験から申しますと、医療保険は更新型の方がメリットがある場合少なくありません。 保険も商品ですから、適正価格の算出と負担総額を考慮して選ばなければ得にならない場合があります。 〈コストを計算するための基準〉 医療保険のコストとは保障額に保険料累計が達する年数(メリット期間)で判断します。 メリット期間が長いほど、その保険料の価格は安いことになります。 保険用語を、品物を買う形に置き換えますと、 価格=補償額(日額×1入院日数) 分割払=保険料 計算例)30歳の方で、日額1万円、保険料4000円、1入院60日 価格=(1万円×60日)=60万円 メリット期間=60万円÷4000円=150回 150回÷12=12年5ヵ月 ●メリット期間が分かれば、何歳までがメリットを得られるか判断することができます。 計算例ではメリット期間は12年5ヵ月になりますから、加入年齢が30歳だと、 30歳+12年5ヵ月=42歳5ヵ月で、メリット期間が終わりです。 42歳以降も継続して保険料を支払い続けると、次の12年5ヵ月後の54歳10ヵ月で 保障額の2倍も 支払うことになります。 保障期間については、メリット期間を確認してから、自分で判断されることをお勧め致します。 ●実質医療費の目安を調べましょう。いくらかかるか分からないという言葉におどらされている方 が少なくありません。落ち着いて平均的な医療費の目安になる額を調べましょう。 そして、その目安になる爆を基準に、保障額はより多く、保険料はより少なくならないと、 保険 に入る意味がないと思います。 私の主観から申しますと、目安額はライフスタイルにより異なりますが、 100万円~300万円の範囲内で困ることはないと思われます(例外を除く)。 ※実費については治療内容や治療期間によりことなりますが加入目的は、 予期せぬ長期入院や高額医療費を補えることを考えますと200万円前後が妥当では? |