●えっと、好評につき先日のブログの続きみたいなものですよ。
先日書いたのはこんな話でした。
「日本のエンタメ文化が一番良かった時代を支えていたのは団塊ジュニア世代だったんじゃない? なぜかっていったら人口も多いし、消費欲が旺盛だからねー」
で、ちょろっと書いてますけど、こういう時代だったのでぶっちゃけ何を作ってもそれなりに売れたんじゃないかと思うのですよ。
その最たるものが「サブカル」。
サブカルっていうのは文字通り、サブカルチャーの略。メインカルチャーに対するサブ的存在である、という意味。もっと言ってしまえば少数派の文化だったはずなんです。
ところが、例の団塊ジュニア世代がけっこうな人口がいたもんで、サブカル的なものもそこそこの数字を出していたのではないか?と考えています。
で、その団塊ジュニアにとってのサブカルの代表格が「漫画」「アニメ」「ゲーム」だった。
ご存知のように漫画やアニメ、ゲームといった文化は、良識派の大人にとっては、うとましいものだったわけです。40~50代の人だったら、学校の先生に「漫画よりも本を読みなさい!」と言われた経験ありますよね? そして1980年代の「宮崎事件」あたりを契機として、オタク文化は忌み嫌われる文化になっていった。
ところが! 近年のアキバカルチャー隆盛を見てもわかるように、この文化はメインストリームに近いところまで来てしまった。
これは団塊ジュニアとそのちょい上の世代が社会進出を果たしたときに、自分が影響を受けたものをもう一度世に送り出そうとした、ということに他ならない。
言ってみれば、欧米のベビーブーマー世代にとってのロックが、日本の団塊ジュニアにとっての「漫画」「アニメ」「ゲーム」だったわけです。
いまだにガンダムやマクロス、ファイナルファンタジーの続編が作られているという状況は「ローリングストーンズがニューアルバムをリリース!」「ビートルズのリマスター盤がついに登場!」という現象に近い気がしません?
そしてこれが一番重要なんだけど、「漫画」「アニメ」「ゲーム」という文化は、下の世代もしっかり受け入れていた。ついでに海外の人々もそれを受け入れ始めている。(若干数ではありますが) ね? この辺りもロックに似た構造を持っているといえるでしょう。
そういうわけで、尾谷が何を言いたいかっていうとですね、「人口規模の大きい世代で流行った文化は後々まで生き残る可能性が高い」ということ。
まあ、逆にいえば、「人口規模の小さい世代で流行った文化は生き残る確率が低い」とも言えるんですけどね。
たとえばここ最近、○○○○○○や○○○○○○○や○○○が話題ですけど、これらの文化は若い世代のものなので圧倒的にユーザー数=人口数が少ない。
今までの成功パターンでいけば、その文化をそのまま下の世代に伝えていけばよかったんですが、彼らの下の世代は人口数がより少ないので、先細りするのは目に見えている。○○○○○○や○○○○○○○や○○○は団塊ジュニア世代やその上の世代にプレゼンテーションしていかないと存続が危ぶまれるわけです。
実際、上記の運営企業は上の世代を取り込もうと躍起になってますね。広告を見る限りでは。
今までの文化は、その文化を生み出した世代が下の世代に対して、「これは良いものだ!」と伝えることによって、その命を存えてきた。それは下の世代の人口が増え続けることが前提だった。ようは子供の小遣いをどこまで切り崩せるかにかかっていた。
しかし、その構造はまちがいなく変わっている。子供の小遣いを切り崩すのではなく、大人やお年寄りの小遣いをいかに切り崩すか? それが主眼になっていく。
こんな状況から類推されることを書きますと、「新しいカルチャーが現れたとしても、人口の多い世代が面白いと思ったものでないと話題にならない」「人口の多い世代を楽しませるものを作ればヒットする」。そして今の時代は情報入手経路が多すぎるので、「その世代のインフラ状況を把握しておく」ということも必要かと。
ってオレ、意外と当たり前のこと書いてない? 大丈夫!?
ちなみにこれ、自分がケータイ小説をやってるときに経験則でわかったことです。結論が出るまでに1年くらいかかったけどねー。