エイプリルフ-ルの思い出
今から約17年位前、 友人Aの紹介で飲みに行くようになった店があった。 その店には可愛い女の子がいて、 店のママの娘でもあった。 その店は友人Aの高校時代のクラスメイトBが最初に常連になっていて、 友人Hは彼の紹介で常連になったのだった。 ママの娘はBの彼女でもあった。 可愛いがどこか小悪魔っぽい感じで、 振り回されそうなので、 私はお客として距離を置いていた。 Bの彼女でもあったし。 ある日の午前中、 仕事中というのに友人Aから相談があるとの電話。 その声は思いつめた感じだった。 A「実は○○○○(行きつけの店名)の×××(その店の女の子にしてIの彼女)といいム-ドになって・・・」 その後一線を越えてしまい、 どうしたらいいのだろうという内容であった。 クラスメイトであり友人でもあるBに対する申し訳なさが、 電話口の声から感じ取られた。 私にとって恋愛関係や男女関係の相談ははっきり言って 得意分野外であったが、 私なりに電話越しとはいえ、懸命にアドバイスをしてあげた。 色々私なりの意見を述べた後、 A曰く。 「ところで今日何日か分かるか?」 カレンダ-を見ると4月1日だった。 そう、私はハメられたのである。 私は受話器を持つ手をわなわなと震わせながら言った。 「お前、狼少年の話分かるか! もし本当に同じ事が起こったら、俺は知らないからな!」 数年後、 Aが電話で私をハメた嘘は現実になった。 その詳細は書かないが、 今ではAもBもあの娘も それぞれ家庭を持って生きている。 私は宣言通り、一切関わりを持たなかった。 エイプリルフ-ルというと、 忘れられない思い出である。