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カテゴリ:エッセイ
今夜は娘がわたしが時どき行くバーで友だちと飲んでいると言うことで、わたしも呼ばれて 行った。 そこには5年前に亡くなったわたしの友人の息子さんと娘さんとその友だちも来ており、若 い人に囲まれて楽しく飲んだ。 娘と娘の友だちがおごってくれた。 娘におごってもらうのは、生まれて初めての経験である。 てっきり払わされると思っていたので、「お母さんはいいよ」と二人に言われた時は、びっ くりした。今年23歳になる娘とその友だち。大人になってきているのだね。 たいそう、気分がいいな~ わたしの母はわたしを産んだその日に亡くなってしまったのであるが、母の腹の中には双子 の妹がいた。 その妹は母とともに亡くなってしまった。 わたしの名前は二人分長生きするようにと名づけられたそうである。 きっと母が生きていたら、娘とこんなふうに楽しい時間を過ごしたかもしれないと感慨深く 思った。 もしわたしが腹の中で亡くなっていたら、わたしと同じ名前をつけられたであろう、もう一 人の自分がまったく別の人生を生きていたと考えると、この世に娘は存在していない。 その生死の別れ道に、刹那を感じてしまう。 人生は一瞬、一瞬だな。 最近、もうひとつこの世に存在したかもしれない、わたしの別の人生をのぞいてみたい気が するのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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