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カテゴリ:エッセイ
本日ランチに15年来の年下の男友だち、デブのHが来てくれた。 健康診断の帰りらしい。 保険センターに出向してきた医師に、キツイ一言を言われたようで、痩せる決心をしてい た。 ヤツの身長は175センチ。 体重が100キロあり、横幅に目を奪われ、背の高さを感じることができない、かわいそう な男である。 身長から計算すると、理想体重は67キロと医師に怒られたとぼやいているのである。 やく30キロオーバーである。 「結婚する前はジェームスディーンだった」 初耳だよ。 「ジミーだったんだ」 大西か??? 確かに顔立ちはハンサムの部類だ。 肉に埋もれてなければの話しだが… 「あたしはさ、最近ブラジャーを買ったんだよ。そしたらどうなの?巨乳になったよ」 「お前、バカだな。巨乳は痩せてる女のためにある言葉だ。お前はタダのデブだから」 あれっ、そーなの? 「一言忠告してやるよ。あの、なんだっけ、ちょっと長い服があんだろ」 「チュニックのことか?」 「そう。そのチュニックはやめろ。デブに見えるだけだから」 デブにデブって言われたくはないね。 「オレさ、耳ツボダイエットに金かけて、1ヵ月がんばったんだよ。でも一グラムも痩せな かった…」 あの、娘が体験で行って、食事を半分にしてサプリメントを飲むようにすすめられ、 「食事の量を半分にしたら、耳ツボなんてやらなくても痩せるだろ」とケツをまくって帰っ てきた、あの耳ツボダイエットですか? ヤツの仕事用の車は軽自動車だ。 フロントガラスの三分の二が、ヤツのガタイで埋め尽くされる。 「この軽自動車、一人乗りだったんだ~」 「まーな」 軽自動車が気の毒でならない。 ディーンよ、よみがえれ。 しかし、わたしはそのあとジムへ行き、トレーニングに励み、ヤツはデブのままなのであっ た。 店をしめるころに、3月でバイトをやめ、4月から大阪のダンススクールに行ったゲンキが 顔を出してくれた。 明日こっちで開催されるダンスバトルに出るためだ。 一回りカラダが締まり、小さな顔がますます小さくなって、一段とかっこいい男の子になっ ていた。 わたしの車を停めている駐車場まで、一緒に帰った。 「ありがとうね、ゲンキ」 「オレ、何にもしてないです」 「来てくれたことがありがとうじゃん」 「そうか。また夏休みに顔出します。来る前にメールしてから来ますね」 今年19歳になるゲンキは、ちゃんとした敬語が話せる硬派な男子だ。 未来のダンサー、がんばってね。 そんな一日。 店はランチも夜もまあまあの忙しさ。 続いてくれるといいな~~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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