2022/02/05(土)14:12
随筆集 明治の東京:鏑木清方・日本画家の見た明治の東京
■随筆集 明治の東京:鏑木清方■
代表作「築地明石町」などにみられるように,鏑木清方の画は,明治の東京の庶民生活を描いて他に類がないといわれるが,折々に書かれた彼のエッセイもまた,江戸や明治への郷愁を誘う美しい小品として忘れられない。
「白足袋」「草双紙」「兎と万年青」「銀座回想」「芝居昔ばなし」「明治の東京語」「甘いものの話」等40篇を精選。
鏑木 清方(かぶらき きよかた、1878年(明治11年)8月31日 - 1972年(昭和47年)3月2日)は、明治期から昭和期にかけての浮世絵師、日本画家、随筆家。
私の祖父が明治9年生まれだったから、祖父の時代の人だ。
鏑木清方は、日本画の名手と言われている。
しかし、それ以上に、随筆でも評価されている。
私が、そのことを知ったのは、今から25年以上前のこと。
■みどり学講座■という講座を受けて、その中鏑木清方のことを知った。
清方は、■都市には緑が必要■と言っている。
建物4に対して緑6の割合がいいとまでいってる。
土と草と、木と水と、そういう総合美から成り立たせた住宅街、高層建築もそこだけには除いて・・・。
緑や自然は、金銭的な計量化をこえたアメニティの価値に深くかかわっているといっているのだ。
以来、私は、清方のファンになったが、随筆を読むのはこれがはじめて。
文章が上手いな・・・と思うながら読んだが、子どもの頃から、大人になったら、小説家になろうかと考えていたらしい。
清方が求めた美というのは、江戸の町が育んだ美、そして,清方の絵にも随筆にも江戸へのノスタルジーが溢れている。
幼い頃、家が貧しくなって、住む家もなく親戚に母親、祖母と一緒に世話になっていたというのに、美意識も人間性も汚れていない。
至る所に、清方の美学が書かれている随筆集だ。
■鏑木清方■
近代日本の美人画家として上村松園、伊東深水と並び称せられる。
作品は風景画などはまれで、ほとんどが人物画であり、単なる美人画というよりは明治時代の東京の風俗を写した風俗画というべき作品が多い。
関東大震災と第二次大戦による空襲という2つの災害によって、清方がこよなく愛した明治時代の古き良き東京の風景は消え去ってしまったが、彼は自分がこよなく愛した東京の下町風俗や当世風の美人を終生描き続けた。
■没後50年 鏑木清方展■
◆東京展
◆会期:2022年3月18日〜5月8日
◆会場:東京国立近代美術館
◆京都展
◆会期:2022年5月27日〜7月10日
◆会場:京都国立近代美術館
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