2024/01/26(金)00:20
昔語り:冬の空嫁してこの地に・・・
今年で結婚して50年になる。
今から50年前の今頃、母と妹と私は、私が暮らすことになるアパートを掃除するために大阪のH市にある古いアパートに行った。
その頃、私たち一家は竜野市という兵庫県の西に位置する町に住んでいた。
そこから大阪のH市は、バスで姫路まで行き、そこから新快速で大阪駅、環状線、私鉄を乗り継いで片道3時間近くかかったのではないかと思う。
掃除道具は持って行かなかった。
私鉄でE駅に着いてそこから北へ、アパートまでは歩いて数分。
アパートまでの道は商店街になっていた。
アパートのすぐ近くには、市場もあった。
掃除道具はそこで買えばいい。
どうせこれから使うものだから・・・。
私はそう思っていた。
しかしその日は月曜日で商店街は休み。
市場も休みだった。
私はがっかりし不安になった。
掃除ができないことにではない。
住むことになる商店街や市場の休日も知らないこと。
いや、それを教えてくれる人がいないこと。
私はこの地で、誰も教えてくれる人がいない土地でこれから暮らしていくのだという不安にかられた。
そのアパートには、約3年住んだ。
その後、駅から南へ数分のところに移り、その後、今住んでいる所に暮らしている。
どこも私鉄のE駅から数分のところだ。
本屋、自転車屋、風呂屋、薬局・・・となんでも揃っていた商店街。
総菜屋、小間物屋、肉屋、豆腐屋・・・なんでも揃った市場。
50年前賑わっていた商店街は、まわりにスーパーが出来始めて少しづつ衰退していった。
市場も無くなってその跡には、小型スーパーが出来ている。
週に数回、そのスーパーに行くが、行き帰りに顔見知りの人に必ず会う。
冬の空嫁してこの地に五十年 はるな
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