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男の子の詩

男の子の詩

1作目。4/16公開。

~雨空の下、私は蜻蛉の様に~



灰色の空 傘を片手に待つ人は
酷く深い愛の水溜りの中で
踊り続ける蜻蛉のようね
誰を待ってるの? 私は雨に囁いた
二人一緒に歩いたあの日の道には
今は一人しかいないのは何故?

午後1時42分 駅前交差点
傘をさした貴方が私を探している
それだけで救われたあの日々は水泡となり
ざぁざぁざぁと窓を打つ 雨を見つめながら
傘をさした私が貴方を探している
水溜りに映る姿は 愛し合った二人でした

愛は蜻蛉
昨日はあんなにも輝いていたのに
気付けばこの大きな手には 小さすぎた二人の愛だけ
愛は水の様
私は心から愛していたのに
どうしてこの悲痛な声に 貴方は気付いてくれないの?

‐零れていく‐

虚しいほどの嘘も
悲しいほどの愛も
全て許せなくなった私
腕にかかった縄がほどけない
貴方という縄がほどけない…

午前5時29分 駅前交差点
あの日と同じ様に雨が降っている
明日には晴れるだろうこの雨に呟いた
ざぁざぁざぁと頬を打つ 涙 止まることなく
傘をさした私に心の傘をください
水溜りを作る心は 今日も雨を降らしていた

愛は蜻蛉
昨日はあんなにも輝いていたのに
気付けばこの大きな手には 小さすぎた二人の愛だけ
愛は水の様
私は心から愛していたのに
どうしてこの悲痛な声に 貴方は気付いてくれないの?
愛は蜻蛉
広く大きな空に恋した
小さくも貪欲な羽虫は 空を知らずに死んでいく
愛は雨の様
私の心をぐちゃぐちゃにした雨は
どうしてこんな青空を 描き微笑んでいるのだろう?

‐溢れていく‐

灰色の空 傘を片手に待つ人は
酷く深い愛の水溜りの中で
踊り続ける蜻蛉のようね
「貴方はもう居ない」 私は雨に囁いた
二人一緒に歩いたあの日の道を
今、私は独りで歩いている…
















出会い 別れ そしてまた出会う
何故私たちは傷つけあいながらも寄り添うのだろうか
それは 愛のため? 人のため?
違う
全ては己のためだった


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