タイトル変更
ブログのタイトルを、そのものズバリに変えてみた。こんなタイトルにするには畏れ多いとも思うのだが、もともとは「私が原文をどう読んだか」を記しているにすぎないのだから、これでいいや、と開き直ってみた。最近の情報には疎いのだが、昔、関西には有名な中医学の研究会があった。原書を訳しながらの勉強会で、邦訳したものを次々に上梓していくといった、高いレベルの画期的な研究会だった。当時私は三冊ほどの中医学書を訳しながら独学していたので、ぜひ入会したいと願い出たことがあった。R先生に御口添えしていただき、中国語を訳せることも強調したが、帰ってきたのは「一週間に二回の勉強会すべてに出席できるなら」という冷たいものだった。一か月に8回も北海道から関西まで往復するのは、資金的にも体力的にも無理なことで、私は泣く泣く諦めたことがある。もう20年も昔の話だ。しかし原書をもとにして勉強するという彼らの姿勢は、私にとって大きな励みになった。それがこの「私訳・源氏物語」にも通じるように思う。中医学でも古典文学でも、「本当はどう書かれているのだろう」という好奇心が、私をつき動かす原動力になっている。一方で、私にとって書くことは、自分が感じたことや考えたことの止められない表出であって、それ以外の気持ち(感動させたいとか自慢したいなど)はさらさらない。私自身の心のエントロピーが高まって書かずにはいられなくなり、言ってみれば崖から転がり落ちるような勢いで文章を書いているのだが、それでも読んでくださる方を意識しないということはない。読者を意識しない文章は自意識過剰で醜悪になってしまうからだ。とはいえ最近は毎日が気ぜわしく、私自身の易疲労に加えて(正直なところ)高齢化のため、恥ずかしながら言葉が出てこない。それが大きな悩みになっている。