ふと懐かしい話を思い出した。
私がまだまだ新人の頃の話だ。
ある日、本社で、当時私の所属する職場の技術展を開催することになった。
社内向けの技術展だが、連日1000人位、来場がある盛大なイベントだ。
私は新人だという理由だけで「受付け」をもうしつかった。
私は緊張しつつ受付けに座っていた。
受付けの仕事は、
(0)にっこりご挨拶する
(1)来場者から会社の従業員証を預かる
(2)従業員証のIDをシステムで読み取り、記録する
(3)IDから名札シールを作成して、これを従業員証と一緒にお渡しする
という内容だった。
最初は戸惑うが、システムが良く出来ていたので、数人やれば慣れてしまう作業だ。
私は楽しく受付け業務をこなしていた。
そして、お昼前、年配のおやじがやってきた。
どこにでも居そうな普通のおやじだ。
私 「ご来場ありがとうございます。
従業員証をお預かりさせて頂いてよろしいでしょうか?」
おやじ「えっ、持ってないよ」
私 「(社外の人かよ??)では従業員番号を頂いてもいいでしょうか?」
↑
従業員証を忘れた場合、番号からも受付けできるシステムになっていた。
おやじ「・・・確か・・・・○▽△×◎かな・・・」
私 「(なんか怪しい人だよ)ありがとうございます」
カタカタとおやじのうる覚えな従業員番号をインプットする私。
・・・
・・・・・
Σ( ̄□ ̄;;;)これはっ!
システム画面には、確かに目の前のおやじの写真。
そして横には・・・
『常務取締役』の肩書き
おやじってば偉かったのね。
おやじ・・偉すぎて・・・従業員を雇う側なのね・・・・。
だから従業員証を持っていなかったのね・・・・。
社長の顔は入社式で知っていたけど、常務の顔は知らなかった新人の私。
私が慌ててVIPエスコート役の上長控え室に走ったのは言うまでもありません。
余談:
うちの会社の役員さん達にはそれぞれ秘書がついています。
なのにこの常務取締役さんはひとりでふらふらスケジュール外でやってきたようでした。
「偉い人も結構普通なおじさんなんだ」と知った新人の私でした。
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