犯人はカスピ海美人だった。
珍事件発生。丹精込めた大鍋のビーフカレーが鍋ごと紛失!暑い一日、仕事を終えて帰ってさっそく宿のキッチンへ。昨夕作った大鍋のビーフカレーを温めようと。しかし、無い!カレーが鍋ごと、無くなった!どこを探すも行く方知れず。昨日、バクーのラムストアで、ビーフの塊り、マシュルームジャガ、玉葱、インゲン豆などたっぷり買い込んだ。玉葱を甘味がでるまで炒めて、ビーフ、ジャガを加えて更に炒めて、胡椒、塩で味こしらえして、コンソメでじっくり煮込んだ。さらに、こちらのプロが調合したカレー粉をたっぷり入れて数時間煮込んだ。最後にマッシュルームとインゲンを加えた。「今夜は、ビーフカレーだよ!」とみんなを呼んだのに・・・。一日経ったカレーライスは、もとても美味しいはず。なのに、無い!宿の寝ずの番の用心棒の若者が、すぐに犯人調査開始。キッチン担当の女性陣に電話してくれた。結果はなんと「みんなで食った!ありがとう」「とても美味しかった。」朝、身振り手振りで、「その鍋のカレー、僕のだから取っといてね。」と言ったつもりだったのに「その鍋のカレー僕のだから、食べといてね。」と、”好意的に”に解釈したらしい。女性陣全員で食べたんだそう。とっちめてやりたいけど・・・。各階の受付の女性はみな、女子大生とか、新婚の乙女とか、用心棒の恋人とか憎めない心根の、優しい知的な美人ばかり。特に、にっくき犯人のひとりは、このラーラ嬢。女子大卒の知性派。モデルのように背の高く、いつも笑みをうかべて”What can I help you"とほほえむ。独身のロシア系美人。この人に面と向かって・・・・、何も言えないなあ。いつもお世話になっているお礼にとプレゼントするしかない。でも、小さじで味見しただけで一口も食べてなかったんだぞ。こら!