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水彩画紀行  スペイン巡礼路 ポルトガル 上海、蘇州   カスピ海沿岸からアンデスの国々まで

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水彩画人 俊介

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カテゴリ:絵日記三昧

ここはカスピ海沿岸の首都バクー。

その昔、シルクロードの隊商が馬や駱駝を休ませて

牛や七面鳥の炭火焼きを食べて一夜をすごした。

キャラバンサラと言う、駱駝をつなぐ石の水場を囲った

石室のレストランが城壁に囲まれた旧市街に今も残っている。

あともうすこしで黒海から地中海につながる巨大都市

イスタンブールも近いと一息を入れた街でもある。

民族はほぼトルコ人と同じ、中国人に蛮族と言われ

馬を駆使して都市を次々と襲った騎馬民族の子孫である。

今はそんな昔の面影は無く、ソ連のKGBに長い間厳しく

監視されてきたせいか、おとなしく人なつっこい。

深夜でも泥棒とか盗難とか喧嘩とかほとんど見かけない。

東京よりもはるかに安全で健全な首都である。

仕事を終えて夏の夕暮れの涼しい風にあたっていると

ホテルの向かいのCDショップから手を振っている。

気のいい若いオーナーが呼んでいるので行ってみると

結婚したばかりの若妻と、故郷のナブランという

リゾート地に帰って、海辺や森で撮った写真を見せてくれた。

モデルのような眼や眉がくっきりとした彼より背の高いカスピ海美人。

しかし、写真を見ると、もっと美しい乙女が写っている。

誰?と聞くと、妹だと答えた。

彼のお母さんも、豊かな表情をもった優しそうな美しい人だった。

こちらの女性の顔を、表現するのはなかなか難しい。

あえて日本の自然にたとえるなら、

鹿島槍のようにくっきりと鼻が高く

黒部峡谷のように起伏に富み、

韓国岳の不動池のように青い眼をもっている。

そして爪楊枝を乗せれるほどに、睫毛の長い人が多い。

貧しい国だけど、衣装だけは凝っていて豹のようなセパレートや

全身真っ赤なドレスとかで、仕事中もファッションを楽しんでいる。

そのまま、六本木のクラブで働けそうな乙女ばかり。

ホテルの近くに多国籍レストランがある。

ラッキーナインと言う和食、タイ、フィリピン、韓国料理の店。

コックがフィリピン人なので、どの料理をとっても、

同じようなのが出てくるが、今日は比較的まともだった。

シャケの塩焼きとカレーとキムチを楽しんだ。

ひさしぶりに行ったら、ウエイトレスが代わっていて

にっこりと微笑む可愛いお嬢さんだった。

年を聞くとまだ19歳と言うが、顔立ちが派手なので

もっと上のように見えるサビーナ嬢。

あまりに愛嬌があって可愛いので、1枚描いて贈ったら

描かれている間もこぼれるような笑みをうかべていた。


カスピ海の乙女






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Last updated  2003/08/21 09:19:26 AM
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