ある日ぼくがいた場所

2005/07/08(金)10:07

戦争と戦場:一国の国民であるということ/日記のようなもの(334)

戦争はいけない。 世界中の誰もがそう言い続けたとしても、それだけでは戦争はなくならない。 テロはいけない。 世界中の誰もがそう言い続けたとしても、それだけではテロはなくならない。 テロは、基本的に、快楽犯や愉快犯ではない。 今回犠牲になったロンドンの人々は、英国に住む英国人でシティーという世界金融の一つの中心地に勤務する人達だった。 明確な意図がそこには見える。 人によっては言うだろう。 無実な人々が犠牲になったと。 しかしテロという行為に及んだ人達からすれば、標的となった人々は、 もちろん無実な人々ではない。 彼らはアメリカの中東戦略を支持する英国の国民なのだから。 外国人や、ブレア等英国政府の方針を支持していなかった人が混じっていたとしても、彼らも結局は英国という存在を支えていた存在に過ぎない。 最初に米英の犠牲になった人々からすれば、明確な、『敵』の一員に過ぎない。 私は英国は嫌いだ。 そもそも中東近辺の混乱の大半の元凶は英国によってもたらされた。 現在のEUの主要国でもあるのに、自国の利益は常に最優先。 近年は好景気と低い失業率を保ち、景気の低迷と高失業率に喘ぐヨーロッパの国々を鼻で笑ってるような雰囲気がいつも伝わってきていた。 このままでいけば、英国は決してユーロには参加しないだろう。 だが、そんな英国の横面を張り飛ばしたのが今回の同時多発テロと言って良いと思う。 あんたら、何様のつもりでいるのか?、と。 好景気や低失業率が保たれるなら、対外的に『何をやっても許される』というのは違うのじゃないか?、と。 対内的には、ブレア達政府は許されていた。 選挙を経ても与党勢力であり続けた。 もちろん今回のテロは、オリンピック開催地に決まり、サミット開催中という絶妙のタイミングを狙われた計画的なもので、たまたま気分的に行われたものではないだろう。 2012年というとまだまだ先だが、今後も断続的にロンドンを含むイギリスの領土が襲われたとしても、何も驚くには当たらない。 イギリス国民が犠牲になり続けようと、私は彼らが無実の民だとは思わない。 いくら対内的に文句のつけようのない程に政局運営されていようと、対外的にアメリカ追従をし続ける彼らは、そのリスクを背負っているからだ。 今からブレアの支持率が落ちて与野党勢力が逆転するかどうかは私にも分からない。 だが、イギリス国民が自国の安全の為に出来ることがあるとしたら、それは先のイラク侵攻は誤りであり、戦争犯罪であったことを認め、ブレアや政府指導者達をその罪で断罪する事と、英国軍をイラクから早期に完全撤収する事は、最低限必要だろう。 もちろん、外交的な常識からすれば、今更そんなことは出来ないし、対米追従をいきなり180度転換も出来ないし、イラクから撤退するにしても即時に開始は出来ないしアメリカが英国単独の完全撤退を承服するわけもない。 ましてや、ブレアや現政権にある者達、すなわち英国政府が、イラク戦争を完全な誤りだったと認めるわけはないし、それを認めるという事は米国政府やブッシュも同罪という事も(もちろん)意味してしまうので、現実的にその可能性は無い。 つまり、英国は今後もテロにさられるということだ。 英国民であったり、英国に起居したり関連を持ち続けるということは、常にそのテロの巻き添えになる危険性を持ち続けるということも意味する。 それが、国民であるということのリスクなのだから。 テロという戦争全体の原因を考えて、その原因を消さない限り、私達が日常として捉えている生活の場が、いつ戦場と化してもおかしくはないのだ。 日本国民である私は、東京に住んでいることもあり、常にそのことは意識して毎日通勤している。 私はアメリカの対イラク政策も、小泉の対米追従も支持してない。 選挙でも自民党に投票していない。 だが、テロの標的にされたとしても、私は文句を言える立場にはいないことは覚悟している。 もしどうしてもその標的から外れたければ、標的にならなそうな国に移住してそこの国籍を取得する必要があるだろう。(実際、ブッシュが2期目の当選を決めた後、カナダ移住希望者が大幅に増えたそうだ) 戦争はいけない。 テロはいけない。 そう言う事はいけなくないにしても、それだけでは全く意味を持たない。 戦争にしてもテロにしても、その起こる原因を消していかない限り、それは決して無くならないのだから。

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