田中およよNo2の「なんだかなー」日記

野茂選手って凄い。

そんなんものは言われなくても分かってるって。

まぁまぁまぁ。

そりゃ、選手としての実績とかは群を抜いてるし、文句がないのはご承知の通り。
私は実際にお会いしたことがないので、推測や感想にしか過ぎないが、人間の生き方として格好いいし凄いと感じている。

いまや、ＭＬＢは日本人の多くの関心事になっている。
昼のニュースでは日本人メジャーリーガーの活躍が報じられる。
ごはん時、会社ではそれが終わってから食堂を後にする人も多い。

だけど、野茂選手がメジャーリーグに行ったときの状況はどうだっただろう。

「契約に問題がある」
「怪我上がり、通用するわけない」
「単なる、わがままだ」

連日、マスコミにそういう報道が踊った。

そうだ、野茂選手のメジャーリーグ挑戦は、決して、祝福されたものではなかった。
疑念と非難の目にさらされていた。

日本にとって、メジャーリーグは遠い存在だった。
不毛の荒野といってもいい。
そして、その荒野に挑む野茂選手を愚か者扱いした。
挑まず、諦め、可能性を見ることさえやめてしまった、我々が愚かなのに。

きっと、でも、野茂選手にはどうでもよかったのだろう。

本場で野球をやる、その夢を実現させたかった、それだけだろう。
野茂選手だけが、荒野を光りあふれる希望の地として、メジャーを見ていた。

彼は淡々と投げた。

マスコミの掌を返す速度は、アメリカと日本を結ぶジャンボジェット機よりも早かった。

「メジャーリーグの危機を救った」
「日本最大の輸出品」

まるで、以前の非難した報道を急いで隠すかのような絶賛ばかりだった。

野茂選手は荒野だったメジャーリーグの姿を、豊穣な沃野だったことを、日本中に示してくれた。

それ以降のメジャーリーガー達も、もの凄い選手だ。
だけど、彼らは応援を背中に、堂々と見晴らしのいい沃野を歩いている。

野茂英雄選手は誰にも出来ないことをすることで、誰にも出来なかったことをできるようにした。

開拓者、だ。

これだけでも、素晴らしい。

さらに、私が凄いと感じるのは、野球に対しての真摯な姿勢だ。
恩返しもきっちりとしている。
彼は日本を捨てたわけでも、日本野球を敵とみなしていたわけでもないのだろう。
野球が好きなのだ。

企業スポーツが厳しくなる中、自ら理事長を買って出て、堺市に「NOMOベースボールクラブ」を設立した。
都市対抗の予選では好調な滑り出しを見せたとのことである。

自分が手に入れたものを独占するのでなく、いい形で他の人にも与えること。
言葉では簡単だが、実際にするのは難しい。
野茂選手はそれも、やった。

私などは野茂選手の凄さには、ちっとも、届かない。
だからこそ、「夢をあきらめるな」との姿勢には学びたいと思う。

いつか、実り多き大地を踏みしめられるように。

※野茂選手の公式ホームページです。
http://ballplayers.jp/nomo/

※NOMOベースボールクラブの公式ホームページです。
http://www.nomo-baseball.jp/