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テーマ:今日どんな本をよみましたか?
カテゴリ:読んだ本
歴史小説と時代小説の違いについて考える。 歴史上の事実を基にして想像を膨らませて書いたものが歴史小説であり、過去のある時代を舞台にするが、そこに起きる出来事や人物は想像の産物というのが時代小説であるといってもよいのではないか。その意味で、時代小説と言うのは一種の異世界ものに近いのかもしれない。「海狼伝」も主人公らが織田信長の行列を見たり、商人時代の小西行長が出てきたりはするのだが、主要な人物や出来事は架空のものなので時代小説に入るのだろう。 こうした時代小説にも、物語にその時代がどれだけもりこまれるかは違う。時代小説にもその時代の風俗や空気を反映したものと、単に設定をその時代と言うことにした異世界ものとの違いである。「海狼伝」は戦国時代の水軍やそれを支える船については詳細にえがかれている一方、登場人物の設定は冒険小説でもありそうなので、中間的なものなのかもしれない。ただ登場人物の中で異彩をはなっているのが、村上海賊の客分でありながら商才を発揮して自由に生きる男で、この人物がいなければ、ありきたりの小説になっていたことだろう。 考えてみれば、村上水軍など、日本史の中では水軍の果たした役割も大きい。 こうしたものも大河ドラマでとりあげたら面白いのかもしれない。瀬戸内全体がご当地になるし、海戦場面も今だったらCG技術で、さほど大掛かりなセット等はいらないと思うのだが。
最終更新日
2023年12月05日 07時50分08秒
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