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カテゴリ:脱力系
カズオイシグロの出世作であり、ブッカー賞を受賞した「日の名残り」を読んだ。
固い言葉で日記を書こうとした。 ただ、この文庫のあとがきの丸谷才一氏の「旅の終り」という解説が素晴らしい。 分析とか、ちゃんとした解説はそっちにお任せしよう。 イギリスの風景って丘がうねっているのが多くって、単調だけど、ひょっこりとそれが美しくなったりする。 その「ひょっこり」感がこの小説の美しさの一つなんだろう。 この小説ね、1週間の旅行を主人公の執事がする話なんだ。 でもね、4日目と、5日目が書かれてないんだ。 何があったのかなって、そーぞーすると、ますます哀しかったなぁ。 主人公のスティーブンスはキャサリンさんいお会いしたのかな。 ラストはじーんってきた。 その感じを伝えるのに、カズオイシグロさんは丁寧に長い小説を書いたのかな。 すごいよね。 なにしろ、途中までは執事のじいちゃんの理屈(限りなく、屁理屈に近い)がとっても、うっとおしかったりするんだよね。 それが、いじましくなって、悲しいってなっちゃう。 仕事に誇りをもつって、なんだろうなぁって。 というか、仕事をたてに互いに素直になれなかった男女って、セツナイ。 駆け落ちする同僚に二人とも、非難してるのって、いじましいな。 なあんか、でも、この小説のいいところは最後にほっこり救われるだよね。 大袈裟じゃなくってね。 あぁ~、それでいいのかもしれないなぁ~って、思えるというか、なんというか。 んーただ、個人的には「わたしを離さないで」のほうが好き。 単純に好みの問題だね。 小説の完成度とか、うねりの微妙さは「日の名残り」のほうがよいかもしれないけどね。 僕は原文を当たってないから、わかんないけど、この土屋さんって人、凄く端正な日本語の文章をい書くんだなって。 難しい単語はないけど、スジがいいというか。 翻訳者に興味をもっちゃった。 うん、年を取ったら、もう一回この小説をよんじゃおうかな。 んじゃま、そんなところで。 ※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎ものがたり(映画、音楽、文学、本)』まで お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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