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テーマ:ニュース(100162)
カテゴリ:超硬派
マレーシアに行った。
タクシーで街を走ると、東南アジアらしい石作りの建物が並んでいた。 ただ、開きっぱなしのお店と違い、ショーウインドーだけではなく、扉もガラスだった。 飾られていたのは、やわらかそうで、模様が豊かな絨毯だった。 「ここらへんは、結構、いい絨毯が並んでるんだ」 運転手が話した。 「マレーシアって、絨毯も作ってるんですか」 僕は聞き返した。 「いや、作ってないよ。ムスリム(イスラム教)の人がイランとかから輸入しているんだ」 ふうん、僕はそんな返事をしていた。 どこのショッピングセンターでも、店の販売員の多くが黒い布を頭からかぶっていた。 イスラム教徒なのだろう。 予想以上に多かった。 8月25日、計測器大手のミツトヨの社長や副社長が外為法違反で逮捕されがニュースが日本であった。 核兵器製造に転用可能な高精度の計測器を低精度と偽って、マレーシアの企業に輸出したのがその罪状だった。 様々な国に渡ったと、いうことである。 リビアでは実物が発見されているし、北朝鮮やイランにも渡っているとのことである。 この軍事用途に転用可能な外為法の規制は厳しい。 たしか、プレイステーションもその半導体の演算機能の優秀さゆえに、きちんと申告しないと、ひっかかったと、思う。 さて、逮捕されたミツトヨの関係者は転売されてしまえば、メーカーとしてはわからない、と説明している。 確かに、その通りだと思う。 ただ、どうなんだろう。 知っていた可能性が高いように、思う。 なぜなら、測定器の仕様も、低精度と偽っているからだ。 嘘に嘘を重ねいる。 そこまでして、輸出したかったのは、逆に危険性を高く認識していたからだろうと思う。 マレーシアというルートの隠れ蓑だけでは不安だから、実際の計測器の高度な仕様も隠してしまったのだろう。 さらに、ミツトヨの商品を直接輸入した、マレーシアの企業はペーパーカンパニーだった可能性が高く、核の闇ルートに乗ってしまっているとも、報道されている。 イスラム圏への輸出を助ける企業がマレーシアには多くあるのではないか、と僕は思う。 なにしろ、普通にあれだけの絨毯が輸入されているのだ。 逆のルートがないわけは、ないだろう。 ルートというと、ややこしいけど、顔見知りや友達がいれば、受け渡しはできてしまうのだから。 このルートを使った企業はきっとミツトヨだけではないはずだ。 冷や汗をかいている企業はあるのではなかろうか? 単純にルートを潰せばいいかというと、そうじゃない。 いいこともある。 僕らは絨毯を入手できるし、きっと、イランの人々がプレイステーションを楽しむ手助けをしているはずだ。 なにより、石油で大きく稼いでいる資金の流通を促進しているんじゃないだろうか。 マレーシアにはその経済実態以上に資金が投下されていると僕は思うけど、それでも成長をしているのは、マレーシアが行き場のないイスラムの資金を受ける受け皿になっているからだろう。 問題は、そのルートに不正が容易に乗ることだ。 今回は計測器という特殊な技術が必要なもので世界中でミツトヨしか製造できないものだったんじゃないだろうか。 ノドから手が出るほど欲しい国々にしてみれば、いかに高価であっても欲しいはずだ。 だって、自分の国じゃ、いくら資金を積んだとしても作れないのだから。 ミツトヨは様々な事情があって、その誘いに簡単に乗ってしまった。 繰り返すけど、日本という国は、そういう立派なものをイッパイ作っている、国なのだ。 一つのルートを潰したとしても、彼らは別のルートを探し出してしまうだろう。 なんだか、マレーシアという国をテーブルにして、喧嘩しているはずの欧州や日本とイスラム圏が互いにプレーヤーとして和やかに商売をしているみたいだ。 その交換で発生したお金が、騒がしいプレーヤーをよそに着実に机を大きくしているように、僕は思う。 そんなゲームで、立派な絨毯は机の下に引いているだけなのか。 きっと、時々、何かを乗せて、絨毯は空を飛んいるのだろう。 ※もっと、「なんだかなー」なら『目次・◎時事・ニュース』まで お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年09月09日 16時42分09秒
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