カテゴリ:小説
今月は、長い間放っていたクローゼットや押入れのすみのすみまで、掃除と整理をしようと固く決意していました。
着ない服や使わないバッグや使わない客用布団。 手作りが好きだった頃の生地や毛糸や刺繍糸。 ケーキが好きだった頃のケーキ型や道具類の数々。 ごちゃごちゃしたものをぜーんぶ取り出して、取捨選択して、ほこりを吸い取って、雑巾がけしよう。 使わないものは、心を鬼にして捨ててしまおう。 空間ができたら棚を作り、積み重なってほこりをかぶりっぱなしになっている本を、きれいに並べよう。 それが完了するまでは、本はお預け。読まないぞ。 そして、この作業が終わったら、和書より洋書を読もう。 (実はね、このあいだある懸賞に当たって、景品に洋書20冊をもらっちゃったんです。) うれしいなあ。早く読みたい。 だけど、今はとにかく押入れの掃除が先。 というわけで、私としては珍しく本を読むより掃除優先で、がんばりました。 そう。3日前まではね。 3日前。 本棚の本の埃を払おうと、一冊手にしてしまった私。 読む気なんかなかったのに、ついついページを開いてしまった私。 あーあ、それがマチガイの始まりでした。 最初の1行だけのつもりが、いつのまにか次のページに移動し、もうちょっともうちょっとの連続です。 はっと気づいたら外は夕闇。本棚には乾きかけた雑巾が・・・ それが「博士の愛した数式」でした。 翌日には、私の頭から掃除の文字がきれいに消え失せ、何の抵抗もなく読了。 そしてまた、続けて手にしてしまった「ミーナの行進」。 こちらも簡単に没頭し、あっというまに読了です。 あわただしい読み方だったけれど、温かい感動で胸がいっぱいです。 読んだ後の透明な幸せ感は、小川洋子さんが随一のように思います。 しかしまあ、いかんともし難い私の意志の弱さ、根性の軟弱さ。 明日はまた、掃除の続きをしなくっちゃ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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