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2005.07.18
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テーマ:『義経』(332)
なんというか・・・・

前回とは違い、中身の濃い回でした。
すでに、このドラマへの期待を失いつつも、つい見てしまっている私。
でも、今回のようなレベルを今後維持できるなら、
これからを期待してもいいかもしれない
それが一番大きな感想でした。



それは、この回が、物語上、大きな転換点であったからです。
私に言わせれば、これまでで一番大きな転換点です。
なぜならば、
義経様が、兄に対して初めて疑問を持った瞬間だからです。




義経様は、つまるところ、頼朝に切り捨てられた人です。
いらぬ、邪魔者であると思われた人です。
それは、義経様が、頼朝の政治的構想を理解できなかったからです。
そこへつながるこの回が、これほどに中身濃く描かれたのは、
今後の展開において重大なことです




頼朝は、義高を殺したかったわけではありません。
娘の未来の婿として、義仲追討以後も丁重に扱って来ています。
斬首の命を下したときの、あの苦渋に満ちた表情(中井貴一、うまい・・・)、
新しきもののふの国=幕府政治を作るためには、
甘い情だけでなく、理を通さねばならない、指導者としての苦悩が表れていました。

冒頭、ナレーションにあったように、徳川家康は頼朝を手本としていたようです。
それは、情ではなく、理で人心を束ねた頼朝の偉大さに感銘したからでしょう。
理で以って、新しき国を造ろうとする頼朝の姿勢は、
重衡を登用しようとしたことでも同時に語られています。

私も、少人数、しかも子どもではありますが、
人を束ねる仕事をしていると、頼朝の思いはとてもよく分かります。
本当に人間が結束するには「理」が必要なのです。
情は、それを強固にもし、また崩しもします。


ラストの部分で、頼朝は義経様に、ずばり、それを言っていました。

身内(=情)で固めた平家は、清盛の死とともに夢はついえた。
けれども、自分が目指しているのは、源氏の世ではなく、
もののふの国である、と言うことを。



義経様自身も、重衡と語った中で、
「平家はばらばらになってしまった。だから、兄とあたらしい世を作りたい」
と言っていました。
でも、義経様にとっての新しい国とは、
簡単に言えば、みんな仲良し、けんかはだめだよ、
それだけのことなのです。
じゃあ、けんかをしてしまったら、しそうになったらどうするのか、
お互い我慢していることができるのか、


それを仕切るのが「理」であることが理解できないのです。


この頼朝は、私が思っていることを、見事に表現してくれました。
理があるからこそ、情の豊かな人間関係が作れるのです。

理に反することは、信頼を裏切ることです。
だとすると、理とは、信頼関係であるといってよいかもしれません。
「非情もまた情なのだ」とは、そういうことなのかなと思いました。


実際、鎌倉幕府以来、ご恩と奉公という形で、
主従の信頼関係が契約となっていくからです。
この時代、忠義と言う概念はあまりなく、
北条氏が頼朝についたように勝てそうなほうにつく、
と言うのが当たり前の世であったようです。

だから、鉢の木物語が有名だったりするわけです。
衣川まで付き従う義経主従のほうが、はっきりいって変な人たちだったのです。(このドラマでは、さらにヘンな人たちである・・・(T_T))


義高は、理ではなく情で動いてしまった。
大姫もまた。
その裏切りさえなければ、二人は幸せに暮らすことができたかもしれないのに。

大体、いくら主人の姫だからと言って、子どもの浅知恵に乗って、
逃げる算段をするあの侍女がおかしい!
あの侍女たちが大人の判断をして、政子にでも相談していれば、
義高くんは賢い子なんだから、この時点できられることはなかったのに~。
返す返すも腹立たしいのは、あの浅はかで、あんぽんたんな侍女である。(ー"ー )



私的には、「平家に恨みがあれば楽だった」と義経様に語らせていながら、
戦闘に際してあまり苦悩していないのには、
か~な~り~不満があるのですが、頼朝との確執についていえば、
なかなかうまい演出だなあと、珍しく感心しました。
ここに、義高事件を持ってくるか~、なるほど、って感じでした。


でも、「三種の神器と重衡の命を交換に」などという発想は、
義経様にはなーい!!はずだ。
彼には、政治的センスがないからこそ、滅びたのです
でも、まあそこは、重衡の命を助けたいがため、と思えば
あまり違和感は感じませんでした。
と言うより、そのときは気になったけど、
後半の中身の濃さに、すっかり印象が薄くなってしまったのでした。


以上、小難しいことを並べてきましたが、
内容が濃いことは、やっぱりうれしいです。
これからもがんばってくれよー、って思います。
予告の、常盤の言葉がよかったですね。
官職も今度もらうんですね。
だんだん、義経様、泥沼にはまっていきます・・・。
滝沢君も、セリフはともかく、表情が豊かになってきたので、
見ごたえもでてきました。

でも、(ほかの役と比べるとかわいそすぎるので)静と比べても、
やっぱりまだ劣るなあ。
涙をこらえて、義経様を迎えた静の表情はよかったよ~
やっぱりさとみはかわいいよ~(すっかりファン)


あと、面白かったのが、千鳥と熊野の関係。
すごい無理やりなつなぎだけど、
一説には、弁慶の出自こそが熊野の別当の子であって、
その縁で熊野水軍を味方につけたというものもあるのです。
いきなり熊野が出てきたのは、
壇の浦への伏線か~となかなか面白かったです。


鎌倉への重衡の護送の件で、一応景時と対立もしたし、
義経様は自分の思惑を見事に逆手に取られて
どんどん追い詰められていくのですねえ。

なんか、楽しんでる?
だって、やっぱり周りを見れないからこその義経様です。
もっと、突っ走ってちょうだい~

わたしはそんな義経様にラブラブなのだ~(*^_^*)





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最終更新日  2005.07.19 03:19:08
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