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裏切られたのでは…という思いが脳裏をかすめた。
そもそも、呼び出したのは彼の方だ。 ドアにもたれるようにして、彼は待っていた。 目があったときに普段より挑戦的な光に満ちた瞳に気付くべきだった。けれど、もう一人の連れに気を取られて私は危険な一歩を踏み出してしまった。 その刹那、時間が止まった。 じわり、と汗が浮くのがわかる。 罠だったのだ。 なにもかも。 茶髪の連れの位置さえも計算しつくされた、巧妙な罠だったのだ。 そして、なんの警戒心も持たずに私は罠に踏み込んだ。 … 靴下の裏には、湿ったやわらかなうんこがめっちゃりと付着していた。 あの猫なで声は罠だったのだ。そう、何もかも罠だった。 私は恐怖に我を失い、その足でさらに一歩を踏み出してしまった。 神よ… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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