今日は復活祭
イエス様のご遺体に塗る香油を手に、女性たちは墓の中に入ろうとした。葬りの支度のため、ご遺体に香油を塗るのは、しきたりだった。しかしそこに置かれたはずのご遺体が見あたらない。せっかく買い求め、大切に持ってきた香油も、もういらない。 「婦人たちはひどく驚いた」(聖書) 驚くのは無理もないが、一方では、この率直な驚きには、後世の人々から疑いの目が向けられるのだから気の毒だな。 女性たちは卒倒しかねない様子だっただろう。 「逃げ去った」「震え上がり」「正気を失っていた」と。 顔からは血の気が引いていた? 二人のマリアとサロメは、墓から逃げながらも、持参した香油のことが気になったかも知れない。「あなた香油は?」「何言ってるの? ご遺体がないんだもの、もういらないわ」 この出来事こそ、最初のイースター(復活祭)の朝の出来事だった。ここが私たちの「キリスト教」が始まった正真正銘の場所である。 さて、マグダラのマリアは、あわててどこかにホカしてきた香料を、探しに行かなければなるまい。主がよみがえられて、帰ってこられるのだから。ステキな予感がよぎる。 ホラ! またイエス様の御足に注ぐんでしょ?