カテゴリ:スーパーカブ
先日、2ヶ月ぶりくらいにC70に乗ろうとエンジンをかけて、アイドリングからギアを1速に入れたところ、エンストしてしまいました。
その後、走行中は信号待ちから1速に入れた時などに同じ症状は出ませんでしたが、もしかしたらクラッチの遊びが多くなってきたのかと思い、昨日、クラッチの遊びを確認してみました。 クラッチ板の摩耗に伴って遊びが増えてくると切れは悪くなるので、ニュートラルから1速に入れた時にエンストしたり、ギアの入りが悪くなるようです。 クラッチ板はそんなにすぐに摩耗するものではないので滅多にやる必要もない調整だと思っていましたが、オーナーズマニュアルを見ると、クラッチの遊び量の確認は6ヶ月点検の内容に含まれているようです。 『スーパーカブパーフェクトメンテ エンジン編』によると以下の手順になります。 1.ロックナットを緩める。 2.ロックナットが回らないように固定しながら、アジャストスクリューを右に一回転ほど回す。 3.アジャストスクリューを左に少し重くなるまで回す。 4.アジャストスクリューを右に8分の1回転から4分の1回転(45度から90度)回す。 C70DNより一つ前のモデル、1981年型のスーパーカブ70のオーナーズマニュアルには、クラッチ調整の方法が載っていました。 『スーパーカブ パーフェクトメンテ』と要点は同じですが、オーナーズマニュアルの内容も転載すると、 1.ナットをゆるめます。 2.アジャストスクリューを右に一回転ほど回します。 3.次に左に徐々に回して重くなったところで止めます。 4.重くなったところから右に8分の1~4分の1回転戻した位置でナットを締め付けます。 また、クラッチ調整が適正かどうかの確認方法もオーナーズマニュアルには載っています。 〈確認のしかた〉 ・キックしたとき滑らないでエンジンが簡単に始動しますか? ・エンジンを始動し、チェンジを1速に入れた場合車が動き出しませんか?またエンジンが止まりませんか? ・スロットグリップを徐々に開き、エンジン回転を上げれば車はスムースにスタートしますか? ・1速でエンジンブレーキをかけながらニュートラルにチェンジする場合、チェンジは重くなりませんか? 不具合があれば再度調整してください。 というような内容です。 以上の手順で調整する前に、現在の遊び量を確認するため、今現在のアジャストスクリューの位置を油性ペンでチェックしておきました。 クラッチ板の摩耗に伴い遊びが多くなっているとすると、ロックナットを緩めた位置から左に重くなるまで回す回転角度も多くなっているはずです。 ロックナットを緩めた状態からアジャストスクリューを左に回してみると、60度ほど回ったところで重くなる感じだったので、遊び量が特に多すぎるというわけでもないようでした。 アジャストスクリューを左に回して重くなる点というのはリフターがボールリテーナーを介してクラッチアウタープレートに接触した位置でしょうから、その状態から適正な遊び量を設定することでクラッチの滑りを防ぎ、切れを適正に保つということになるのだろうと思います。 当然、クラッチが減ってくると遊びは多くなり、リンケージによるリフト量は一定ですから切れは悪くなります。 調整しても切れが改善されない場合は、右クランクケースカバーを開けてクラッチを外し、クラッチ板の摩耗を点検する必要が出てきます。 アジャストスクリューを当初の位置に戻して、最初からマニュアル通りに調整したところ、当初の位置とほぼ同じ位置に落ち着き、その後試走してみたところ、走り出しでエンストすることもなく、クラッチの切れが悪いという症状は出ませんでした。 今回は、遊び量が多くなっていたからエンストしたというわけでもなかったようです。 前回の乗り出しで、冒頭のような症状が出たのは、2ヶ月以上も乗っていなかったのでクラッチ版が固着していたか、エンジンが冷えていてオイルの粘度が高い状態だとクラッチの切れが悪く感じただけなのかもしれません。 その後、走り出してからは、信号待ち等でニュートラルから1速に入れてエンストするという症状は出なかったことを思うと、調整の必要はなかったのかもしれません。 まあ、いずれにしても6ヶ月点検に含まれているようだし、手間のかかる作業でもないので、特に問題はなくても、たまには確認してみるのもいいのかもしれません。 なお、『スーパーカブパーフェクトメンテ』によると、クラッチはチェンジペダルの先端が14から18ミリ踏み込んだ時に切れるのが正常らしいです。 遊び量が少ないと、少しの踏み込み量で切れ始めるということになるようです。 クラッチの遊びは問題なく、昨日乗った時には同じ症状は出なかったのでいいとして、今回、ホンダのホームページで年代別に分かれた3冊のスーパーカブ70のオーナーズマニュアルを流し読みしていて、C70DNについて初めて知ったことがありました。 それは、エンジンのかけ方とプラグの種類についてです。 81年から94年までのモデルでは、エンジンをかける時、チョークレバーを一杯まで引いた状態でスロットルを四分の一ほど開けて始動するように記されていました。 それに対して、95年モデル以降のマニュアルには、スロットルを閉じた状態でエンジンをかけるよう記載されているのです。 実際に92年型のC70DNで確認してみたところ、オーナーズマニュアルに記載されている通り、チョークレバーを一杯まで引いた状態でスロットルを四分の一ほど開けて始動してみると、外気温が10度以下の昨日のような日でも、1発でエンジンがかかりました。 寒い日に、それも半月以上エンジンをかけていなかったにも関わらず、1発でエンジンがかかることなど今までなかったので、なんだか感動してしまいました。 98年型のリトルカブではスロットルを閉じた状態でも一発でエンジンがかかるのに、なぜC70DNではエンジンのかかりがわるいのか、ずっと気になっていましたが、そもそもエンジンのかけ方が違っていたようです。 また、プラグについても、95年以前のモデルでは抵抗なしのプラグが指定されていました。 NGKではC6HSAです。 一方、95年以降ではCR6HSAと抵抗入りが指定されていました。 オーナーズマニュアルなんて常識的なことしか書かれていないのだろうと軽視していましたが、年代別で、重要な部分が変わってくるのですから、ちゃんと見なければダメだなと反省した次第です。 最近はホンダのホームページでオーナーズマニュアルやパーツリストを閲覧することができます。 C70DNのような古いモデルでは、パーツリストは見られませんが、オーナーズマニュアルは無料でダウンロードすることができます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.02.13 09:46:25
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