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イベントの多い今の時期、何かこう頭がスッキリするようなさわやかな音楽でも聞きたいな~、と思っていたところ、なんとあのJulliard音楽院のピアノ科に兄弟(女3人、男2人)5人全員が通っているという、”The Five Browns”(ブラウン兄弟)が、ちょっとした音楽会をするというではありませんか!こんなチャンスはそうそうないぞと思い、ウチの長はじめ友人達とコーフン気味に会場に向かいました。どんな子達なのかな、きっとスゴク自信に満ちている感じなんだろうな、とワクワクドキドキだったのであります。質疑応答(ダサイ!)の時間があったら、いろいろ聞いてみよう、などと考えたりしておりました。
が~~~~! 開演の時間とほぼ同時に到着したにもかかわらず、あれ?人がぞろぞろと出て来るではありませんか?もう満員になっちゃったのかな?と不安がよぎる私達。その中に知人がいて尋ねてみたら、音楽会というよりもちょっとした”サイン会”のようなものだったらしく、5人一緒にRimsky-Korsakovの "Bumble-Bee"なんとかを弾いただけだったそうで、な~んだ、ガッカリ。それでも、5台のピアノによる同時演奏は、相当上手だったそうで、わずかな時間であっといわせる実力は、さすが天下のジュリアード生!こちらに来たのも、"Steinway Artists" (あの Steinway Piano専属)として、各地を演奏旅行(巡業もあるのかな?)している訳なのでした。サインだけでももらおうかな、と中を覗いて見たけれど、かなりの混雑で本人達は見えずじまい。ま、仕方がないという事で、皆でお茶してお開きとなりました。聞いた所によると、主催者側は今回このサイン会で、一時間3000ドルのギャラを払ったのだとか。Julliardなら、学費以外いろいろかかりそうだもんねー。(新しい情報をgetしました。一人ずつが演奏するとしたら、一人につき別途3000ドルの加算となるので、主催者側は断念したそうであります。) さて、このブラウン兄弟ですが、5人全員がJulliardというのもスゴイんだけど、それよりここに来るまでもかなりのストーリーなのです。ユタ州出身の彼らは、敬虔なモルモン教徒であり、幼児の頃からピアノを習い始めたそう。毎朝4時起床、5時からピアノを練習し、その後、母親によって Homeschoolーホームスクールによる教育を受けたそうです。(は~、毎日ですか!)そして、彼らの才能を見込んだ、モスクワ音楽院卒のロシア人教師によって彼らの実力はさらに磨かれ、奨学金により全員がJulliard音楽院に進学した訳です。彼らの家庭は特別裕福ではないそうですが、親は何とか工面して、5人それぞれに練習用のグランドピアノを与えたのだとか。 フーム、それにしても大したもんですよね。世界中から大変な実力の持ち主達がJulliardに集まって来る上、毎年たくさんの卒業生が出る訳でしょ? 話題性だけではスポンサーはつかないから、やっぱり相当な実力なのでしょうね。こんなスゴイ事って、一つのアメリカンドリームの形なのかも? *ホームスクール:学校には通わず家で教育を受ける制度。教員免許のある親、または教師が家庭で授業を行う。定期講習やテストなどを受け、小中高校の卒業資格を取得する。卒業の単位や試験などは、各州によって異なる* お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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