『勧進帳』歌舞伎を初体験
今回、かなり長文になります。国立劇場にて社会人のための歌舞伎入門『勧進帳』を愉しむを観てきました。難しくてさっぱり解りませんでした^^;普段は勧進帳と花雪恋手鑑の二本を上演していますが、今回は歌舞伎に馴染みのない社会人にも楽しんでもらおうと、入門講座と勧進帳の上演というものでした。以前から歌舞伎を見たいと思っていたので、講座まであって¥5,000はお安い!と思い友人を通してチケット入手していただき、なんと席が前から6列目の真ん中!左側の花道もよく見えます^^客層はやはり若い人が殆どだったけど、中には常連の方もいて、「よっ、○○屋!」という掛け声が聞こえました。最初は入門講座という事で松本幸四郎さんの声で、勧進帳や歌舞伎の始まりなどが5分程、語り(録音)と写真や絵で紹介されましたが、私の考えていたものとは違い、ちょっとガッカリ。もっと歌舞伎用語や掛け声のかけ方など、基本的な事を教えてもらえるかと思ってた…でも最後に、先代(八代目)の松本幸四郎の弁慶が、飛六方で花道を退場するシーンが流れてそれにかぶせて、今回の出演者がアップでどど~んと写ると、やっぱり凛々しいなぁと思いました。【すじがき】源平の戦いは治まり、今は源氏の天下。しかし源頼朝・義経兄弟が不和になり、義経は兄に追われ山伏に身をやつして、陸奥へ落ち延びようとする。加賀国安宅(あたか)関の関守の富樫佐衛門(市川染五郎)は、頼朝から「山伏を堅く詮議せよ」との厳命を受ける。この関に武蔵坊弁慶(松本幸四郎)を筆頭に四人衆を引き連れた義経(中村芝雀)一行がやってきた。弁慶は、強引に関を破ろうとする四人衆を抑え、東大寺建立のための勧進山伏と称して通行しようとする。迎えた富樫は、その証拠として勧進の趣旨を記した勧進帳を読めと言う。ぐっと窮する弁慶。仕方なく偽の巻物を取り出し、あたかも本物の勧進帳であるかのように読み出す。これを覗き見る富樫・・・次に富樫は山伏の由来について「問答」を仕掛けていく。これに逐一明快に答える弁慶。疑念を解いた富樫は通行を許した上、布施物までも与える。急ぎ関所を通る一行に、義経の顔を知る番卒に見咎められ、弁慶はその不審を晴らすため、心ならずも主君である義経を金剛杖で打ち据えた。双方殺気立ち押し合いになる。「強力を打ち殺す」という弁慶を見て、「早まりたもうな」と留める富樫。弁慶の主君を想う懸命さに心打たれた富樫は、“武士の情け”で一行を見逃す決心をする。関所を通り抜けて一同はようやく安堵する。義経は弁慶の機転に感謝するが、弁慶は主君に手を上げた申し訳なさに涙を流す。義経はこの忠臣に優しく手を差し伸べた。あまりの嬉しさ、勿体無さに弁慶は平伏して男泣きに泣く。出立の刻限となるが、そこに富樫が酒を持って現れた。弁慶は快く盃をうけ大杯を飲み干し、請われて「延年の舞」を舞う。その隙に弁慶は義経一行を出立させる。足早に立ち退く義経と四人衆。弁慶はこれを見届けると富樫に深々と一礼する。富樫はすがすがしい表情でこれを見送る。大仕事を果たした弁慶は歓喜の表情を浮かべながら、飛ぶが如くに義経の後を追うのであった。というストーリーだが、セリフが何を喋っているのか理解できなくて、まるで外国語を聞いてる感じ。入口で小冊子を渡されて、そこに上記すじがきが載っているのを終わってから見つけて、最初に読んでおけばよかったと後悔…そうすると、自然と他のところに目が行くもので、後ろにお囃子の人達が二列に並んでいるんですが、前列の鳴り物(鼓)のお兄さんの中で、真ん中にいる人が超眠そうな様子。(*≧m≦*)ププッ目をしばしばさせて顔をしかめて、たまにグラっとなったりして、そのお兄さんにクギ付けでした。あとはやはり染五郎さんや、他の皆さん声がいい!歌舞伎はマイクを使わないので、すべて地声です。皆さん、よく声が通って羨ましいです。私は新感線の舞台での染ちゃんしか見たことがなかったので、今回初めて歌舞伎役者の染五郎さんを堪能させてもらいました。美しかったです。お父さんの松本幸四郎さんの弁慶もカッコイイ!衣装もとてもキレイでした。一緒に行った友人によると、勧進帳は歌舞伎初心者向けではないそう…普通の時代劇のようなものもあるという事なので、そのうち機会があれば他の演目も見てみたいです。