ばか詰
ばか詰というものがあります。これは詰将棋ではなくて双方が協力して玉を詰めてしまうというものです。例えば上の図は ▲9三角 △5七飛合 ▲同角成 △4九玉 ▲3九飛までの5手で詰みます。何だか馬鹿馬鹿しいようにも見えるかも知れません。ばか詰の場合は最初から「○手」と手数が表記されています。上の手順の5手が正解で、もっと手数がかかってもいいなら、▲9三角 △4八金合 ▲同角成 △2九玉 ▲3九馬 △1九玉 ▲2九金までとか、いくらでも別解が出てきそうです。5手と決まっているからそれ以上かかるのは間違いで、正解手順以外に答えが無いように作られています。すんなり答えが浮かぶ事もあれば迂回した手順はいくらでも浮かぶけどなかなか正解が見えない、という事もあります上の図は以前雑誌に紹介されていた、ばか詰です。・・・実は配置はうろ覚えでひょっとして誤りがあるかも知れませんが・・・・・・これは9手で詰みます。プロ棋士や奨励会員達がウンウン唸っている所へ米長現会長が通りかかって人目で詰ましてしまったらしいです。▲1七香 △1六金 ▲1五飛 △同金 ▲同香 △1四飛 ▲1二角成 △同飛引 ▲2一金まで9手この手順にはえらく感心した覚えがあります。普通に1二角成といったのでは同飛と3二の飛が動いて逆王手になる。持駒の飛を奇妙な中合を発生させて玉方に飛の持駒を与えてその飛をまた中合に打たせて、その飛に角を取らせてようやく詰む・・・・・・。プロでさえ簡単に分からないのですから優れたパズルと言えると思います。まあばか詰こそ実戦では全く役に立たない代物と言えそうですが。