Honey & Milk

「なぁ、何て言えばいい？」
「最初の切り出し方だけでも考えてくれよ～」

そんなの自分で考えれば？

と突き放した。

だってー、バカみたいなんだもーん。
ウチの長男君。


帰りの学級会で担任が話をしている間、
ちょろちょろ席を立って遊んでいた長男君は
しこたま怒られた。らしい。
（この時点でバカだと思った。）

担任の説教が長く続いたので、助け舟を出したのか
早く帰りたかったのか、長男君の友達リョウタが
「もう終わりにしてください。」と言ったものだから
先生がすごく怒ってしまい

「もう俺は卒業まで二度と学活の時間に話をしないことにする」
と言った。らしい。
（普通だ。）


長男君、困っちゃって
夕飯を作る最中も、テレビを見て寛いでいても

「なぁ、謝ったほうがよくね？」

私の後ろをトボトボと着いて廻って邪魔。

あやまりたきゃ　謝ればいいじゃん。

「電話がいいかなぁ？」

明日学校で言えばいいじゃん。

「リョウタと２人で行こうかなー。」

あんたバカじゃないの？なんでリョウタまで行くのよ。
あんたがチョコついてたから、リョウタが怒られるハメに
なったんじゃないの！！！
自分で責任とれないようなこと最初からするな！！！

「でもさー、やっぱ皆に悪いしさー。話してくんないと
　困るよねー。」

あーもうっ！！！めんどくさっ！！！
ママが中学生なら、そんなことで謝らなかったよ。
先生が話しないなら、帰りの学活が早く終わって
早く帰れるじゃん。ラッキーじゃん。
ずーっと怒らせとけばいいじゃん。

「ええええええっ。やっぱ俺、電話する。」
と起き上がって、電話の横で手招きする。

え？なにさ。（イヤそうな顔をしてみせるが実は楽しい）

「そこに居てくれ。」

なんでよ。

「いいからそこに居てくれ。」

・・・・。ムスッとして電話の横に座り込んだ。
（謝るなと言えば謝るのね。ぷっ。）

「あー、もしもし長男君ですけどこんばんわ。
　今だいじょうぶでしょうか？
　今日はすみませんでした。明日からちゃんとするので
　話をして下さい。

　はい。えー、俺が悪いのにクラスの皆に迷惑かけるのは
　やばいと思うので・・・。
　お願いします。

　はい。・・・はい・・・。すいませんでした。
　おやすみなさい。」カチャ　「ふぅぅぅぅ」深呼吸。


で、先生なんだって？

「こうやって、電話をかけてくるなんて
　かわいいやつだ。って・・・」


・・・・。熱血教師でよかったな。


しかし、いつになったら「かわいい」を卒業してくれるのだろうか。