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ミラン・クンデラがこの11日に94歳で他界しました。戦後の海外小説家では、ガルシア=マルケス(1927-2014)に次いで好きな作家でしたが、なぜかノーベル賞は受賞しませんでしたね。代表作、『存在の耐えられない軽さ』(1984年)は、フィリップ・カウフマン監督による映画化も素晴らしいものでした。『小説の精神』と題された小説論も印象に残っています。 チェコスロヴァキアの反体制作家として、1975年にフランスへの亡命を余儀なくされています。クンデラが凄いのは、亡命後はチェコ語からフランス語に乗り換えて変わらず次々に傑作を発表し続けたことです。同じ経験を嘗めたハンガリー出身のアゴタ・クリストフ(1935-2011)もその困難を語っていましたが、確かに、米国に亡命したトーマス・マンもソルジェニーツィンも、英語で作品を発表することはありませんでした。 石垣りんの詩に、次のような一節がありました。 いつからか 国土というものに疑いを持ったとき 私の祖国と呼べるものは 日本語だと思い知りました お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年07月13日 08時35分54秒
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