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11月の米大統領選は、本当にあの老ー老による対戦になってしまうのでしょうか??? むかし養老孟司氏が言っていた「中枢は末梢の奴隷」という言葉も一面の真理ですが、でもやはり、ヒトをヒトたらしめている臓器は、心臓でも肺でもなく脳であることは明らかですね。ヒト大脳は、ピーク時の40歳前後と80歳とでは、平均値で言うと、全重量は10%しか減りませんが、いちばん肝腎の前頭葉の神経細胞(灰白質の部分ですね、白質は神経線維)の数は50%減っています。 バートランド・ラッセルが、40歳にさしかかるころ、アタマが悪くなったので数学から哲学に転身すると発言したとき、そして50歳にさしかかるころ、もう哲学も無理なので社会評論家に転身すると発言したときには、哲学者と社会評論家の顰蹙を買いました。今年はイマヌエル・カントの生誕300年だそうですが(4月24日生れ)、その主著の『純粋理性批判』がカント57歳時の出版だったことは本当に驚きです。 私がこれまで読んでいちばん印象的だった脳科学の一般書は、もはや30年以上前の刊行で蔵書からも処分してしまいましたが、コレージュ・ド・フランスやパスツール研究所の教授だった、ジャン=ピエール・シャンジューの『ニューロン人間』(みすず書房、1989年)です。ヒトの脳の進んでいる方向が、ヒトをとりまく環境と齟齬を来しているかもしれない徴表として、世界各国におけるマイナー・トランキライザー(精神安定剤)の消費量の爆発的な増大が挙げられていました。 脳科学の教科書としてお勧めできるのは、畏友・山内兄人(やまのうちこれひと)氏による『脳の人間科学』(コロナ社、2003年)です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年06月26日 10時19分23秒
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