2024/07/01(月)07:11
茨木のり子(1926-2006)
十代の終わりの頃、もう50年以上前に、莫逆の友からの便りに、「6月」という作品が引き写されていて初めて知った詩人です。私は男流詩人では木原孝一が好きで、女流詩人では新川和江、三井葉子、金井美恵子、井坂洋子、伊藤比呂美、小池昌代(この人の文章は入試に出題したことがあります)らは詩集を2冊以上持っています。比較的最近の人では、文月悠光さんが荻窪にトークショーに見えたとき、聴きに行きました。
ミル様邸のご近所に存命のはずの谷川俊太郎はじめ、尊敬すべき詩人はあまたいるのかもしれませんが、茨木のり子はそのしゃきっとした姿勢が大変敬意を持たれているような気がします。「わたしが一番きれいだったとき」とか「自分の感受性くらい」、ほかに、東京堂書店での詩集と刺繍の作品など広く知られていますね。次のフレーズなど、何度読んでも笑ってしまいます。
「先生 お元気ですか
我が家の姉もそろそろ色づいてまいりました」
他家の姉が色づいたとて知ったことか
手紙を受けとった教授は
柿の書き間違いと気づくまで何秒くらいかかったか