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2018.03.19
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カテゴリ:悪性リンパ腫
学会スペシャル:第48回米国臨床腫瘍学会
2012年6月1日~5日 Chicago, U.S.A.

ベンダムスチンとリツキシマブの併用はR-CHOPよりも低悪性度リンパ腫とマントル細胞リンパ腫に有効で安全な可能性【ASCO2012】
2012/6/5 森下紀代美=医学ライター

 低悪性度リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫(MCL)のファーストライン治療として、ベンダムスチンとリツキシマブの併用療法(B-R療法)は、R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)と比べて無増悪生存期間(PFS)と完全寛解率(CR)を有意に改善し、毒性も低いことが、多施設共同のフェーズ3試験(StiL NHL 1)で示された。6月1日から5日にかけてシカゴで開催されている第48回米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で、ドイツUniversity Hospital GiessenのMathias J. Rummel氏がStudy Group indolent Lymphomas(StiL)を代表して発表した。

 Rummel氏らは、ドイツの81施設が参加したこの試験の解析結果を米国血液学会(ASH2009)で報告している。今回はカットオフ日を2011年10月とした最新の解析結果を発表した。

 対象は、CD20陽性の濾胞性リンパ腫などの低悪性度リンパ腫またはMCLで、病期がIII期またはIV期の患者。化学療法、インターフェロン、リツキシマブなどによる治療歴はないこととした。

 患者をB-R療法群またはR-CHOP療法群のいずれかに無作為に割り付けた。B-R療法群では、ベンダムスチン90mg/m2を1日目と2日目、リツキシマブ375mg/m2を1日目に投与した。R-CHOP療法群では、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、ビンクリスチン1.4mg/m2を1日目、プレドニゾロン100mgを1日目から5日目、リツキシマブ375mg/m2を1日目に投与した。投与は6サイクルまでとされた。主要評価項目は3年後のPFSで、B-R療法群のR-CHOP療法群に対する非劣性(10%未満の低下)を検証することとした。

 2003年9月から2008年8月までにB症状、貧血や血小板減少、7.5cm以上(1領域)の腫瘍径などが認められた549人が登録され、514人が評価可能だった。疾患では濾胞性リンパ腫が54%を占め、次いでMCLの18%だった。B-R療法群は261人(年齢中央値64歳)、R-CHOP療法群253人(同63歳)となった。両群の患者背景はほぼ同様で、病期がIV期の患者は両群とも77%、国際予後指標(IPI)が2を超える患者は37%と34%、濾胞性リンパ腫国際予後指標(FLIPI)が3以上の患者は46%と48%だった。

 奏効率は、B-R療法群92.7%、R-CHOP療法群91.3%、CRはそれぞれ39.8%と30%となり、B-R療法群で有意に改善した(p=0.021)。

 観察期間中央値45カ月におけるPFS中央値は、B-R療法群69.5カ月、R-CHOP療法群31.2カ月となり、ハザード比は0.58(95%信頼区間:0.44-0.74)で、B-R療法群で有意に改善した(p=0.0000148)。

 B-R療法群によるPFSの延長は、組織型サブタイプの内、濾胞性リンパ腫、MCL、マクログロブリン血症で認められた。濾胞性リンパ腫のPFS中央値は、B-R療法群では未到達、R-CHOP療法群は40.9カ月、ハザード比は0.61(95%信頼区間:0.42-0.87)となった(p=0.0072)。FLIPIが0から2の患者ではハザード比は0.56で有意差がみられたのに対し(p=0.0428)、3から5の患者ではハザード比は0.63で有意差はみられなかった(p=0.0679)。
 
 B-R療法によるPFSの延長は、60歳以下、61歳以上のいずれの患者でも有意に認められた。またLDH値が240U/L以下の患者でもPFSが有意に延長したが、240U/Lを超える患者では有意差はみられなかった。
 
 7年全生存率(OS)は、B-R療法群75.9%、R-CHOP療法群59.5%で有意差はみられなかった。理由として、R-CHOP療法群の約半数の患者が進行時にB-R療法を受けたことなどがあげられた。
 
 血液毒性の発現は、R-CHOP療法群と比べてB-R療法群で低かった。グレード3以上の好中球減少は、R-CHOP療法群の69%に対し、B-R療法群では29%だった。非血液毒性は、B-R療法群ではR-CHOP療法群と比べ脱毛、神経障害、感染症の発現率が有意に低かった。皮膚症状(紅斑、アレルギー反応)の発現率はB-R療法群でやや高かった。
 
 2次発癌は、B-R療法群で20人、R-CHOP療法群で23人に発現した。両群で各1人に血液腫瘍が発現し、B-R療法群では骨髄異形成症候群(MDS)、R-CHOP療法群では急性骨髄性白血病(AML)だった。中高悪性度リンパ腫への形質転換は全対象の2%未満で観察され、B-R療法群では6人、R-CHOP療法群では4人だった。
 
 Rummel氏は「B-R療法は、ファーストライン治療として標準的に使用されるR-CHOP療法と比べ毒性の発現が低く効果も高いので、濾胞性リンパ腫などの低悪性度リンパ腫、MCLに対するファーストライン治療として好ましいと考えられる」と結論した。
 
 B-R療法後にリツキシマブによる維持療法を2年間または4年間投与する臨床試験が、StiL NHL 7試験として実施されていることも紹介された。






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最終更新日  2018.03.20 16:28:15
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