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〔環境の変化で起こる心理的ストレスへの対応〕
神戸新聞の小冊子に載っていた記事です。 今回の震災にからんだ内容となっていますが、一般的にも当てはまるので一部抜粋して紹介させていただきます。 回答者は、北山真次さん(神戸大学医学部付属病院 親と子の診療部講師・こどもセンター病棟医長) Q.環境の変化によって、子どもたちがいつもと違うと感じたときは? A.進級・進学、友人関係や地域社会の変動、引越しや家庭状況の変化、また災害・事故による突発的な出来事など、さまざまな環境の変化が要因となって、子どもの心身には何らかの影響が生じます。 そうしたストレスに対して強い子どもも弱い子どももいて、同じような状況下でも子どもによって表現法、発散法が違ってきます。一般的に、大人に比べて子どもは、心理的ストレスが身体症状や行動の変化として表現されることが多くなります。また、親や保護者、身近な大人たちの心理的状態から影響を受けることも多いため、子どもに接する大人自身のストレスを軽減することも大切です。 不安感によって生じる心理的影響は、0歳児では夜鳴きするという表現に出たり、学齢以上では腹痛や頭痛といったはっきりとした身体症状や、ボーッとする、怒りっぽくなるといった精神状態の変化に現れるようになります。 何らかの環境変化によってそれまでと違った行動が見られても、多くはストレスに対する正常な反応です。いずれは解消し、また適切なケアによって治まることを親や保護者が理解することが大切です。子どもたちは、自分が周囲にしっかりと受けとめてもらっていると感じることで、心の安らぎを得ることができるのです。 Q.どのように対応すればいいのでしょうか。 A.子どもは成長の過程で身体的にも精神的にもさまざまな変化が見られます。一時的なものであればあまり心配はいりませんが、日常生活に極度に支障が出る場合や、長引く場合であれば注意が必要です。心理的なストレスがある場合は、食欲がなくなったり、表情が暗くなる、落ち着きがなくなる、不眠など身体症状や行動変化として表れます。嘔吐や下痢、頭痛といった症状のほか、イライラや感情的な高揚、怒りっぽくなるといった精神的変化で表れる場合もあります。小さな子どもは分かりにくいこともありますが、夜鳴きや遺尿(おもらし)、腹痛などのサインを見逃さないようにしましょう。 ケアの仕方は各々違いますが、重要なのは親や保護者がどのように子どもの心理的ストレスをキャッチし、受け止められるかということ。環境が変わる場合は、あらかじめ子どもに理解できるよう伝えておくことも必要です。例えば保育園や幼稚園に入園前の子どもには、事前にその場所に連れて行って徐々に慣れさせる、あるいはどんな場所なのかを分かりやすく説明します。環境変化によって極度な症状が見られる場合は、小児科や児童精神科、児童相談所など専門機関に相談するようにしてください。 ーーーーー 略 ーーーーー 大震災などの直接的な体験が与える影響は、それぞれの子どもによって違います。心の問題は決められた方法で、すべてに対処できるわけではありません。生活環境や文化、人々の関わり方など、幅広く捉えた心のケアが必要です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年06月07日 22時55分50秒
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