子供自慢された時の考え方について
ちょっと長ったらしくなるけど「子供を自慢された時の考え方について」書かせていただきます。自慢って嫌ですよね。聞きたくないなぁって思う。特に子供の自慢話。「うちの子は●●大学に合格した。負けず嫌いで相当な努力をしてきたんだ」というタイプが一番つらい。それって、合格しなかった人=努力してない証拠みたいなふうにも捉えることができるんです。でも、あんまり受け取る側がどう捉えるかを考えないのが自慢話ですよね。人生は学歴だけじゃないんだよ・・・って常に思っていますが、現実には学歴自慢する人っていっぱいいるんですよね。そこで遺伝について調べてみました。人の遺伝情報はたった4種類の塩基で書かれています。4種類とはA(アテニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の組み合わせ。で、遺伝子の配列の中で配列が異なる部分を「スニップ」と呼びます。スニップが個人差を生むそうです。見た目、なりやすい病気、運動能力、性格、学力、知能など・・・。人一人が持ってるスニップは数百万あるそうです。その中でIQに影響するスニップの箇所は3900か所以上。ひとつひとつの遺伝子の影響は小さいけど、3900もの数があり環境や条件に応じて相互作用するため大きな個人差が生まれます。この遺伝の相互関係を分析したものを「ポリジェニックスコア」といいます。かなりの高い精度で人間の遺伝子による表現型の形質を予測できるようになっているそうです。遺伝子が子供に伝わるとき、メンデルの遺伝の法則に従って母と父の遺伝子の半分ずつが、ランダムに子供に伝わります。子供=父+母+どちらとも異なる「スニップ」の遺伝子ということになります。一卵性双生児以外では、全く同じ配列を持ってる人はいない。子供の持っている能力はまるで3900枚のトランプの手札のようなもの。このトランプの手札の使い方を教えることが子育て、教育。その使い方を繰り返すことによって自分のものにすることが、努力。遺伝的に頭の良さに恵まれていないからといって努力が無意味なわけでなく、どのように努力をするかというのが重要な課題。行動遺伝学の三原則。ひとつめの原則 人間の行動形質はすべて遺伝の影響を受けるふたつめの原則 同じ家庭で育ったことの影響は、遺伝の影響よりも小さいみっつめの原則 人間んお複雑な行動形質に見られる分散のうち 相当な部分が遺伝でも家族環境でも説明できない努力にもあてはまります。脳の機能であるワーキングメモリ(一時的に情報を蓄えたり、行動をコントロールする役割)。これを使うと人間は疲れたと感じる。ワーキングメモリを使って自分をコントロールする作業=努力本人の意思で好きなように行える。しかし行動遺伝学の3原則によるとワーキングメモリの働き、スピード、長さ、興味の度合い、刺激の受け具合、すべてにおいて遺伝の影響がある。ワーキングメモリの使い方にも向き不向きがある。努力のやり方、時間、頻度、すべてにおいて人により異なる。持っているトランプの手札は勉強に有利ではないにもかかわらず手札と環境をうまくマッチさせて成績を上げることは可能。だから結局、子供と話し合い、子供の特徴を知り、その能力に合った学習方法を模索する。子供が自分自身の中で自分の壁を乗り越えて前の自分よりも成長し、自分なりの100点を取れればそれでいいのだ。浜崎あゆみさんの曲「Trauma」でもあった。「基準はいつも自分の物差しで測る」ですよね。「人の物差しで自分を測らない」「人の物差しで自分の子供を勝手に測らない」が大事なんだな。勉強ができる子にとって有利な社会。でも親の物差し、周りの大人の物差しが、この先ずっと同じかどうか、その物差しで育った子供が将来どうなるかなんて誰も分からない。分からないなら、子供なりの特性を知り、子供なりの壁を乗り越える姿を応援し、子供なりの結果を喜べばいいんだ。たとえ他人から他人の子供の自慢をされても同じ土俵には立たず、観客席やテレビを見るような感覚で「すごいね」「お子様、すごく努力したんですね」「将来が楽しみですね」と応援すればいい。もしかしたら相手は「頭が良いのも遺伝なんですね!」「どうやって子育てをされたんですか?」「うらやましい」など人からあこがれのまなざしで見てもらいたいのかもしれないけどそこまでは降りる必要ない。観客は観客らしく「がんばれー」「すごーい」と言ってればいいのです。自分は自分の土俵で暮らしましょう。