カテゴリ:映画、テレビ
「ご期限ななめはまっすぐに」(評価 ★★★☆☆ 三つ星)
食べ物を大切にしたいと願うご夫婦による映画。彼らは食料品店のゴミを漁ったりして期限切れの食品を入手、食糧廃棄物だけを食べて生活してみる。そして、まだまだ食べられるのに大量の食品が捨てられている現状に唖然とする。 日本ではNHK「BS世界のドキュメンタリー」で放送済み。http//www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=180330 映画の内容としてはある程度は想定の範囲内という感じだった。そんなに衝撃的に教育的なドキュメンタリーでもない。 で、結局このご夫婦は半年間、期限切れ商品だけで生活することに成功。しかもそれなりに豪華なものも召しあがることができたもよう。 食べきれないのに大量に食品を購入すべきではない、というのはあなたもわたしも頭ではわかってることだけれど、「足りなくなったどうしよう」という強迫観念のもと、どんどん買い込んでは結局は食べきれずに無駄にしてしまう。今に始まったことじゃない。 それより、この映画で触れられていたものの、もっと突っ込んで取材してほしかったとぼくが感じたのは、商品の期限表示に関する点。「期限」の定義があいまいなので是正、統一する必要がある。販売者も消費者もそれぞれの勝手な理解のもとで対応してるのが問題。 少なくとも以下の三つの日付はそれぞれに異なってるはず。 販売期限:この日を過ぎたら店頭から撤去すべき。まだ食べられるけど。 賞味期限:食感や鮮度が落ちるので、美味しく食べたいなら急ぐべき。まだ食べられるけど。 消費期限:カビが生えたりするので、食べたらヤバいかも。 でも、商品に三つもの日付が掲載されてたらややこしい。映画のなかで提言されてたように、上記1の「販売期限」は消費者が知る必要はないので、暗号にしちゃうというのも一案。 一方、果物とか野菜はだいたい一目見て鮮度がわかるものなので、こうゆう日付はあんまし関係ない。例えば林檎の場合、日本人は皮をむいて食べるけど、ぼくの周りのアメリカ人は皮ごと食べる人が多く、よって包丁が登場しないので、傷んだ部分だけ切り落として残りを食べるという発想はないみたい。よって丸ごと廃棄される。 バナナとかアボカドとかは、どれぐらい熟れたら食べごろかというのは個人の食感や味に対するこだわり、嗜好、好き嫌いによる。よって、その一瞬の食べごろを過ぎてしまうと廃棄する消費者は多いはず。まだ食べられるのに。 ぼく自身、食品販売店とかホテルの料飲部門とかで働いたこともあり、食品廃棄の問題については昔から心を痛めていていろいろ思うところはある。販売する側からすると、新鮮ではない食品を提供することで結果的に食中毒など顧客の健康を脅かしてしまって、客から訴えられたらタイヘン!という言い分がある。一番の問題はここ。実際に訴訟問題に発展することは世界的にほとんどないみたいだし、これは提供者側の言い訳に過ぎない。 「ドギーバッグ」文化のように、外食先で食べきれなかったものを包んで持ち帰るということが国によってはなかなか浸透しないのもその辺の事情か。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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