テレビ/配信:ウィー・アー・ニューカッスルユナイテッド We Are Newcastle United(2023年イギリス)
「Howay, Howe, How?」(評価 ★★★★★ 満点五つ星) イングランド北東部のサッカー団体ニューカッスル・ユナイテッドに関するドキュメンタリーを米アマゾンプライムで鑑賞。全四話。各五十分。日本(語)では未公開っぽい。 約20年にわたり成績はイマイチだったが、2021年10月にサウジアラビアの資本が入り大幅な組織改革を実行。以降、新監督のもと挽回を図るさまが紹介される。このドキュメンタリーでは特に2022年8月から2023年5月までを追う。 とても丁寧に取材されており、かつわかりやすく嫌味のない編集で楽しく観られた。映像も見応えがあった。幹部会議を古城で行なうとかって凄すぎ。 語りを担当してるのはなんとアラン・シアラー様。氏ご自身もニューカッスルで大活躍なさってた選手なわけだし、このうえなく適任。感情を込めずに淡々と語るのは好感が持てた。 ぶっちゃけた話、潤沢な資金のある団体こそが有利。これは誰よりも地元の支援者たちこそが最も理解しており、サウジアラビアの資本を喜んで受け入れる。嬉し涙を流す人も。 要はその金をどこでどのように使うかが幹部の腕の見せどころであり、このドキュメンタリーはその辺りがうまく紹介されていた。地元民の心情も大切にしつつ、中東やアジアの支援者をも意識した協賛企業選びの裏側とか、すごく興味深く観られた。 主要人物は二人、ヤシルさん(サウジアラビア人)とアマンダさん。いろいろ語り倒してくれるし、理路整然と話してくれるのでありがたい。てか、こんなこてこての男性社会である巨大組織の頂点に女性がいるのもまた頼もしい。 そんな二人とは対照的に、新監督エディー・ハウ(Eddie Howe)さんは口数の少ない紳士風。実直すぎてどうも監督としてはキャラ的に弱いのではと不安になるのだけれど、余計な言い訳などせずにこつこつじわじわと実績を積み上げていくさまは見てて気分が良かった。 最終回(第四話)は神回。泣けた。試合の展開、結果も劇的なのだけど、それとは別に、幹部がなんと天下のアディダス本社(ドイツ)に出向き、提携に向けてCEOらと会談する場面も出てくる。てか、さすがアディダス様、社屋がかっこよい。 さて、今季2023/2024年期も彼らは好発進したもよう。この番組も続編が作られてほしい。 最後に、ニューカッスル関連で知っておいたほうがいい英単語を挙げると、Magpies カササギ(カラスに似た?白黒の鳥)。団の愛称。選手のユニフォームが白黒の縦じまだしToon Army ニューカッスルユナイテッド推しの人々。toonというのはタウンが訛ったものらしいGeordie 北東イングランド(ヨークシャーよりさらに北、スコットランドに接する地域)の人/方言Howay 現地の方言で、頑張れと鼓舞する用語らしい。スペイン語圏の人が言う「Vamos」みたいな感じか