カテゴリ:日本の旅
九州ふっこう割第2期分が配布されたらしいよ、という情報が友人よりFBでアップされた時には、すでに宿の予約は完了していた。
昨年宿泊した湯布院のドッグラン付ホテルがとても良かったので、今年も九州行きを計画していたのだった。 本当は青葉が茂る頃と思っていたのだが、あの大地震。 なので余計に行きたい思いを募らせての出発だった。 今回も愛犬2匹を連れての旅。 八幡浜港から船で別府へと向かう。 その日は曇り空だったが、デッキにいても潮風が心地いいほど11月にしては気温が高かった。 けれど船内は暖房が入っており、かなりの暑さを辛抱しての3時間弱。 愛犬たちはその暑さと久しぶりのお出掛けに興奮し、水をがぶがぶ飲んでいた。 別府から湯布院へは下道を通っても車で1時間ほど。 相変わらず景色の美しさには息を呑むほどで、まさにドライブ日和。 くねくね道のあちこちで車を止めては由布岳を見上げたり、色づいた木々を眺めたり、なかなか目的地にたどり着けない。 やっぱり九州の自然は大好きだなーと深呼吸ばかりしていた。 予定ではそのままホテルへ直行のつもりだったが、チェックインには少し早く、私たちは金麟湖の畔のカフェで一服することにした。 でも、その判断が間違ってたのかな。 多くの観光客で韓国語が頭の上を飛び交っていて、逆に私たちの方が遠慮がちになるほどだった。 特に愛犬ウルスは何度も彼らの被写体となり、わけのわからない言葉にかなりのストレスを感じている表情。 金麟湖の周りはせっかく見事な紅葉であったのに、ずっしり疲れを背負った午後になってしまった。 そして、ホテルの玄関にて。 白内障のために慣れない場所ではすぐに座り込んでしまうクリスを抱きかかえようとした矢先、バタンと大きな音がして振り向くと、そこにウルスが転倒していた。 一瞬の出来事で、私には何が起こったのかさっぱりわからなかった。 「え?ウルス?ウルス?」 大きな声で呼びかけても、体を硬直させて横向きに倒れているウルスには意識はなく、私はその時ウルスが死んでしまったのかと思った。 「なんで?うそでしょ?」 必死で声を掛け体を擦る。心臓に耳を当てるとまだ動いているようにも思う。 パニックになっている私を見て、ホテルスタッフの皆さんが駆け寄ってきてくれた。 「〇山を呼んで!」 後で聞いた話では、〇山さんという若い女性スタッフは動物を看護する専門学校を卒業されているとのことだった。 「これは低血糖かも。砂糖を舐めさせてあげて。」 「病院には電話しました。すぐに私の車で行きましょう。」 少しづつ体の硬直もとけ意識を戻しつつあるウルスを抱いて、私は〇山さんの車に乗せてもらった。 「病院はこの近くですから。ここ(ホテル)のワンちゃんたちも診てもらってる先生なんです。」 「こういう時は、飼い主さんが落ち着くこと。ワンちゃんは飼い主さんの気持ちを敏感に察知しますから、飼い主さんが慌てているとワンちゃんも不安になるんです。」 「私も沢山子犬を見てきましたけど、低血糖を起こして意識をなくす子は結構いるんですよ。」 初めてのことで動揺している私の不安をなくそうと、運転しながらも彼女は話し続けてくれた。 病院に着くころにはウルスも意識を取り戻し、元気はないものの普通の状態に戻っていた。 ホテルの方達にはとても迷惑をかけてしまったが、あの時もし私だけだったらどうしていいかわからず、あたふたするだけだったと思う。 そして、こんなにも親切にしていただいて、私もウルスも本当に恵まれていたなと感謝している。 九州、温かい思い出がまたひとつ増えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.11.24 19:05:42
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