第九話「お守り」

とある岩山…ここでワルモン達(ハーピーとブイモングレイとヴァンデモン)は、休息している(外は雨)。
ブイ「あーもう!何で雨なんか降るんだよ!!」
ハーピー「本当!紙も絡まっちゃうし、雨なんか大っ嫌い!!」
ヴァンデモン「そう騒ぐな。お前達が騒いだところで雨は止まん。」
ブイ「…お前、よくそうやって優雅にワイン飲んでれるな…。」
そう。ヴァンデモンは優雅に(椅子に座って)ワインを飲んでいたのだった。
ハーピー「…ホントね。…あ、グレイ。何してるの?」
グレイは、壁に寄り掛かって座り、右手につけた勾玉(まがたま)を眺めていた(←最初から勾玉つけてました)。
グレイ「…ベツに。」
ハーピー「そう言えば最近よくそれ見てるけど、何かあるの?」
グレイ「……ベツに。ただのお守りだよ。」

所変わってとある洞穴。ゲンキ達はここで雨宿りをしている。
サンダー「…お前本当に殺すぞ?」
グミ「で~も~、サンダーいっつもそう言って~、結局殺してないじゃ~ん。」
サンダー「じゃあいい加減死ね!」
サンダーはそう言ってグミモンに飛び掛った。…どうやらこの2人は今日も懲りずに喧嘩をしているようです。
チョコ「サンダー!グミ!やめなよ!!」
アメ「チョコ、いい加減無駄なことやめれば?…あいつらなに言っても止まんないって。」
サンダーとグミモンは走り回っている。…すると、サンダーの尻尾から何かが落ちた。
ニナ「?何コレ。」
ニナはそう言って“何か”を拾い上げた。それは緑色の勾玉だった。
サンダー「にな!それ返して!!」
サンダーはそう言ってニナのほうに走って行った。…が、30cm前で止まり、オロオロしている。…どうやらこれ以上は行く勇気がないらしい。
ニナ「…はい。」
ニナは、なるべくサンダーの近くにその勾玉を置いた。するとサンダーはすぐに尻尾の中に戻した。
ゲンキ「…なぁ。さっきのやつ、そんなに大切なものなのか?」
サンダー「うん。これは…えと…何て言うのかなぁ…お守り…かな。」
ホリィ「お守り?何の?」
サンダー「ん~、よく分かんないけど、友達が言ってたんだ。これを持ってれば、きっとまた会えるって。」
ゲンキ達「へ~。」
ニナ「…でも、そうやって尻尾の中に入れてたら、またいつ落とすかも分からないよ。…さっきみたいに。」
サンダー「ん…でも、こうやる以外に方法知らないし…。」
ホリィ「…サンダー、その勾玉ちょっと貸してくれる?」
サンダー「え?…いいけど…」
サンダーはそう言って、ホリィに勾玉を渡した(…というか念で飛ばした)。するとホリィは20cmぐらいのヒモを取り出して勾玉の穴にとおした。
ホリィ「はい、出来上がり。」
ホリィはそう言って、勾玉をサンダーの首につけた。
ホリィ「これで落とす回数も減るはずよ。」
ホリィはそう言って、優しく微笑んだ。
サンダー「…ありがと…ほりぃ…。」
勾玉とサンダー


…その夜、サンダーとグレイは同じことを思い出していた。
…勾玉をくれた人(?)のこと…それをもらった日の事を…。

とある荒野…サンダーとグレイが遊んで(走り回って)いる。…すると向こうから、赤い髪(?)で、オレンジ色の犬が走って来た。
犬「サンダー!グレイー!」
サンダー「あ、オルトロス!」
サンダーはそう言って、その犬に駆け寄った。…どうやら、その犬はオルトロスと言うらしい。
グレイ「どうかしたのか?オルトロス。」
オルトロス「…サンダーもグレイも、もうすぐ別の世界に旅立つんだろ?」
グレイ「あぁ。ま、そろそろな。」
オルトロス「…やっぱな。…あのさ、おれ、このままお別れなんてイヤだからさ、コレ…作ったんだ。」
オルトロスは、そう言って勾玉を2つ出した。
サンダー「うわぁ~、キレ~。…ほしぃな…もらっていい?」
オルトロス「…サンダーとグレイにやるために作ったんだよ。…それをずっと持ってれば、きっとまたいつか会える…と思うんだ…だから…。」
グレイ「へぇ…。じゃ、ありがたくもらっとくな。」
サンダー「ありがと、オルトロス♪」


…そしてサンダーとグレイは、もうすでに(雨が)やんでいる空を見上げ、
グレイ&サンダー「元気にしてるといいな。…オルトロス…。」
と、同時に同じ事を言ったとさ。

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