2008/09/15(月)23:22
英単語の意味と発音
最近、毎日のように翻訳についていくつも刺激を受けるので、一日に記事ひとつでは足りません。
忘れないようにメモる意味でも、記事を書いていこうと思います。
今、読んでいる本があります。
どうして英語が使えない?
(酒井邦秀 著)
「翻訳の原点」を読んでいる最中なのですが、内容が難しすぎて、読むのに疲れてしまって。
息抜きにこの本を買いました。
この本では、英和辞書の欠陥について様々な観点から述べられています。
現在半分ほど読んでいて、身に覚えのあることが2つありました。
それは訳語と発音。
<訳語>
英和辞典って、訳語が載っていますよね。
ひとつの単語に対し、訳語がいろいろありすぎる、と思ったことありませんか?
英語を学習し始めたころ、私はそう思いました。
でも、学習していくうちに語源や類義語の知識が身につき、いつの間にか
「ひとつの単語に該当する意味はひとつ。訳語がいろいろあるだけだ」と思うようになったのです。
例えば、「represent」。
「~を表す、~の代理をする、~を代表する、~だと説明する、~に相当する、主張する、~の役を演ずる」など、様々な訳語があります。
この単語は「表す」という意味が基本にあって、それを英語では様々な場面で使うから、
日本語ではいくつもの訳語が発生してしまう。
図で示してみます。
下の図では円の内側が「represent」の意味を表し、点は訳語を示します。
この図のように、「represent」自身は「表す」という日本語で表現されるあらゆることを
意味しているのに、それに対応する日本語がないから、いくつもの訳語で補うことになる。
でも、訳語は「represent」の持つ意味のカケラを表しているだけであり、いくつ訳語を並べても「represent」そのものの意味を表すことはできない。
点では面を埋めることができないのです。
点を増やせば、限りなく面に近づくことはできるけれども、面にはならない。
わたしは英単語とその訳語について、こんなふうに感じていたのです。
そして、英単語の意味を表す辞書がほしい、とも思っていました。
すると、この本では私が考えていたことがそのまま書かれていて、自分の考えに
自信を持つことができました。
しかも、ずっとほしいと思っていて、でもないだろうとあきらめていた
「英単語の意味を表す辞書」がある、ということもわかりました。
その辞書とは「英英辞典」。
英英辞典では、国語辞典と同じように「単語の意味の定義」が書いてあるらしいのです!!
ずっとほしいと思っていたものが見つかって、すごくうれしいです。
英和辞書のほかに、英英辞典も買おうかな
<発音>
学校ではずっと
「日本語の母音(あ、い、う、え、お)にあたる発音が英語にもある」
と教えられてきました。
そして、それを信じてきました。
でも、この本には20以上もある英語の母音には、どれひとつとして日本語の母音と
対応するものはない、と書いてあります。
びっくりしましたが、読み進めていくうちに、ある出来事を思い出しました。
学生時代、2ヶ月間カナダに留学していたときのこと。
もともと英語は得意だったので、留学した時点で日常会話のヒアリングに困ることは
ありませんでしたし、簡単なことなら自分で言うこともできました。
もちろん、言った内容は相手に伝わっていました。
(ちなみに、英会話教室に通ったことはなく、英語の学習は学校のみです。
学校にいたネイティブの先生と会話してみたり、受験勉強でかなりヒアリングの勉強を
やったりはましたが)
しばらくして、日常会話にまったく困らず、考えなくても英語で会話できるようになった頃のこと。
本屋さんで通じなかったことがありました。
「I want to buy a book about a horse.」
(普通、こういう言い方はしないのかもしれませんが、普通の言い方を知らなかったのです)
どの単語が通じなかったと思いますか。
それは超基本的で、発音も簡単だと思っていた「book」でした。
ものすごい衝撃をうけました
「book」の発音記号は[buk]。
「u」は日本語の「う」と同じだと教えられ、そう思っていました。
でも、その通りに発音してもまったく通じなかったのです。
挙句の果てに
「Do you want to buy a horse 」
と笑われる始末。
すぐにパソコンで「book」の発音を勉強しました。
(発音を聞き取り、正しいか間違っているか判定してくれるソフトがあったのです)
すると、やはり日本語の「う」を使った「book」は、正しい発音ではないのです。
パソコンの「book」という発音を聞き、いろいろな発音を試しているうちに
正しい発音がわかりました。
日本語の「う」は、のどの筋肉を緊張させ、のどを狭くして発音します。
「book」の「u」は、のどを緊張させず、開いたままで発音します。
「う」は口の先で音を作り、「u」はのどの奥で音を作るイメージ。
学校で教わったこと、全然違うじゃん
と思った出来事でした。
最後に。
この本は、「翻訳立国トラドキスタン」というブログで紹介されていたものです。
このブログでは日本語の乱れについて、架空の物語というかたちをとって論じています。
初めてこのブログを見たときは
「書いてあること、全然意味がわかんない」
と放り出してしまったのですが、ブログランキングの上位にあるので為になることが
書いてあるのだろう、と思い、もう一度読んでみました。
最初の記事から順に読んでいくと内容もわかり、読む価値のあるブログだと思うようになりました。
架空の国を作り、制度を決め、それに矛盾しない内容で自分の言いたいことを記事にする。
考えにしっかりと筋が通っているからこそ、できることだと思います。
本が紹介されている記事はここ。
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