テーマ:特産品・名産品(156)
カテゴリ:特産品・名産品 (個別)
熊本の郷土料理「太平燕(タイピーエン)」発祥の店として知られる中華料理店「中華園」が2月末、82年の歴史に幕を下ろすそうです。
現社長の趙健次さん(73)が、父で創業者の慶餘(けいよ)さんから受け継いだ店だが、 入居する県民百貨店の閉店と同時に店を閉めることになりました。 中華園は1933年、中央区花畑町付近で開店。 中華園の太平燕は鶏を数時間煮込んだ透き通ったスープに春雨、白菜、エビ、煮卵などが入ったヘルシーな料理。 同じ年に開店した「会楽園」、翌34年開店の「紅蘭亭」とともに「太平燕ご三家」とも呼ばれ、 県内では学校給食にも出されるなど、親しまれている。 (三店のうち、どこが発祥かは定かではないが、勝谷誠彦氏は著書「イケ麺!」(新潮社)の中で、「これらの店が創業されたのが1933年から1934年頃で、華僑は横のつながりが強いために情報交換がなされていた可能性が強く、どこが発祥というのは分からないのではないか」と分析している) 慶餘さんが故郷の福建省でお祝いの時などに出される家庭料理をアレンジしたのが始まりといい、 健次さんは「父の故郷への思いと、熊本の恵まれた水からできた料理」と話す。 「太平燕」はもともとは中国福建省福州の郷土料理。 日本で入手しづらいアヒルの卵の代わりにニワトリの揚げ卵(虎皮蛋)を、扁肉燕の代わりに春雨を用いている。 慶餘さんは16歳で来日し、旧植木町出身の渡辺朝子さんと結婚、2年後に中華園を開業した。 店は繁盛したが、熊本大空襲などで二度焼け、中央区上通に移転後も53年の大水害で1階が水没するなどの困難を乗り越えた。 健次さんは毎日、父親が作る料理を食べて自然に味を覚えた。 済々黌高を卒業後、中国に発電所を作りたいとの夢から東京の大学で電気工学を学んだが、 中国籍であることを理由に企業への就職を断られ、熊本で父と厨房に立って腕を磨いた。 県民百貨店8階にある現在の店は73年10月、岩田屋伊勢丹(当時)の進出をきっかけに出店。 翌74年に慶餘さんは亡くなり、店の厨房に立つことはなかったが、健次さんが味を守ってきた。 父から学んだ秘訣(ひけつ)は、 1.舌触りが滑らかで軟らかい 2.材料が新鮮 3.透き通って澄んだスープでありながらうまみがある 4.こりこりとして歯ごたえがある 5.香りがよい ――の五つ。「お客さんが料理を全部食べても辛くない(濃すぎない)のが中華園の味」といい、 毎晩、料理人たちが作ったものを食べてチェックしている。 この味は、料理人の一人が今春にも市内に新しい店を構え、引き継ぐ予定だという。
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Last updated
2015.02.11 13:49:22
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